column歯科コラム

  1. ひだまり歯科医院
  2. 歯科コラム
  3. 口臭の原因は歯周病?その症状と原因、治療法を徹底解説

口臭の原因は歯周病?その症状と原因、治療法を徹底解説

監修:歯科医師 高島 光洋



口臭の主な原因として歯周病が挙げられます。歯周病による口臭は、歯周病細菌が原因となっており、適切な治療とケアが必要です。今回は、歯周病によって引き起こされる口臭のメカニズムや具体的な治療方法について詳しく解説します。口臭に悩まれている方は、ぜひご参考になさってください。

まずは口臭の種類と原因を探ろう

口臭の種類は大きく分けて次の4つがあります。

  • 生理的口臭
  • 病的口臭
  • 外因的口臭
  • 心因的口臭

口臭の種類を知っていただくことで、原因を見つけやすくなります。 以下に、それぞれの原因について詳しく解説していきます。

1.生理的口臭

体や口内が全く臭わない方はいません。「生理的口臭」とは、誰しもが持つ口の臭いです。
特に「生理的口臭」を感じやすいのは起床時です。なぜかというと、就寝時は唾液が分泌されにくく循環が悪くなるため、お口の中の細菌が増殖しやすいためです。お口の中が無菌の方はいないので、健康な方であっても多少なりとも口臭が発生しています。

「生理的口臭」の発生源となりやすいのは、舌の根元についている舌苔であることがわかっています。また、起床時以外にも空腹時や緊張している時なども、唾液の分泌が減少することで口が乾き「生理的口臭」が発生することもあります。

[対策]
・舌のケアを行う(1日1回、舌ブラシで1方向に2~3回舌を優しく磨く。特に起床時に行うのが効果的。)
・口の乾燥を防ぐため水分をこまめに摂る
・食後に歯を磨く


食後の歯磨きをする際には、可能であれば歯ブラシだけでなくデンタルフロスや歯間ブラシも使い、口腔内の汚れをできるだけ残さないようすることが大切です。お口の中での細菌の増殖を抑えることができます。。外出先で歯磨きができない時は、うがいやマウスウォッシュも効果的です。また、食後にシュガーレスガムを噛むことも唾液の分泌が促進されるため、口臭対策になります。

2.病的口臭

病的口臭は「口腔内の疾患」と「全身疾患」2つの原因よってに分けられます。

<口腔内の問題によるもの>
・歯周病が進行している
・虫歯がある
・舌苔の付着
・ドライマウス

[対策]
・歯周病治療や虫歯治療を受ける
・舌のケアを行う(1日1回、舌ブラシで1方向に2~3回舌を優しく磨く。特に起床時に行うのが効果的)
・口の乾燥を防ぐため水分をこまめに摂る

疾患以外にも「入れ歯の清掃不良」や「不良補綴物(ふりょうほてつぶつ)」が口臭の原因になることもあります。
入れ歯の清掃不良については、入れ歯を正しく清掃していないことで汚れが付着し細菌が増殖しやすくなることで口臭が発生しやすくなります。

不良補綴物とは、被せ物や詰め物の欠けなどによって元の歯とうまく適合していない状態をいい、その部分に汚れがたまりやすくなることで細菌が増殖し口臭が発生しやすくなります。お口のトラブルに繋がることがあるため、歯科医院でやり換えをすすめられることもあります。

口腔内の問題が口臭の原因となるケースは全体の約8割を占めており、口臭予防に日々の口腔ケアがいかに必要かがわかります。

<全身疾患によるもの>
・糖尿病
・肝疾患
・腎疾患
・副鼻腔炎や扁桃炎

[対策]
・かかりつけ医に相談する
・服用している薬の副作用に「口渇」と説明がないか確認する
・「口渇」と説明があれば、他の薬に変更できないか医師に確認してみる


これらの病的口臭に対する対策としては、医療機関での診断と治療が必要です。全身疾患による口臭は、根本的な疾患の治療によってのみ改善が期待できます。
さらに、定期的な歯科医院でのクリーニングや適切なセルフケアも非常に重要になります。特に、糖尿病と歯周病は関係性があることがわかってきています。歯周病治療により歯周病が改善した患者さんが、血糖の指標となるヘモグロビンA1cの数値も改善したというデータも報告されています。

また、服用されているお薬の副作用に「口渇(こうかつ)」(口が乾燥すること)と説明されている場合は、薬の服用によりお口が乾燥することもあります。口が乾燥すると、口臭も発生しやすくなるため、気になるようであれば、かかりつけ医に相談してみましょう。

3.外因的口臭

外因的口臭は、飲食物に含まれる臭いの物質が口臭の原因となります。以下のような食品が一時的に口臭を引き起こすことがあります。

・ニンニク
・ニラ
・納豆
・ねぎ
・アルコール
・コーヒー

食品によるお口の臭いは、1日たてば落ち着きます。

[対策]
・臭いの強い食品を控える
・お口の臭いを抑えるカプセル(ブレスケアなど)を使用する

4.心因的口臭

心因的口臭は、検査しても口臭はないが、患者さん自身は口臭を感じてしまう症状です。
主な原因として、精神的な面が関係していることが多いです。

[対策]
・専門家による検査
歯科医や専門家による口臭検査を受け、客観的な評価を得ることが最初のステップです。これにより、実際に口臭がないことを理解することで、口臭への不安を解消しやすくなります。

・心理的カウンセリング
必要な場合には、精神科医や心療クリニックでのカウンセリングを受ける方もいらっしゃいます。心因性の口臭は、「以前に口臭について言われた記憶」「口臭により周りに迷惑をかけていないかという不安」などが関係していることもあります。また、根底にあるストレスや不安が原因になっていることもあります。カウンセリングにより一つずつ解消することで、症状が落ち着きやすくなります。

歯周病が引き起こす口臭発生のメカニズム

歯周病は、細菌感染により歯の周りの組織が炎症を起こす病気で、主にプラークが原因となって引き起こされます。プラークは細菌の塊とも呼ばれ、内部に多くの細菌が存在しています。その細菌がタンパク質の原料となるアミノ酸をもとに、口臭原因物質を作り出します。この口臭原因物資は、「VSC(揮発性硫黄化合物)」と呼ばれるガスで、代表的なものに「硫化水素」「メチルメルカプタン」「ジメチルサルファイド」があります。

歯周病になると、歯茎が腫れ、歯と歯茎の間に歯周ポケットが形成されます。歯周病が進行すると、歯周ポケットが深くなり、内部で細菌が増殖しやすくなることでVSCが多く発生し、口臭も強くなりやすいです。

口臭の発生原因をセルフチェックしてみましょう

口臭が歯周病によるものかどうかを自分でチェックする方法をご紹介します。

1、息の臭いを確認
・手のひらやコップに息を吐いて、その臭いを嗅ぎます。
・マスクを着用して、吐いた息の臭いをチェックします。

2、舌苔の確認
・鏡を使って舌の表面を観察します。舌表面の白っぽさ、その厚みなどを確認します。白く厚みがあれば、舌苔の付着が多くなっており細菌が繁殖しやすい状態と言えます。
・使い捨てなどの歯ブラシを使用して舌を軽くこすり、その歯ブラシの臭いを嗅ぐことで舌苔の臭いを確認できます。

3、歯茎の状態をチェック
・歯茎が腫れていたり、赤くなっていたりしていないか確認します。(健康な歯茎はピンク色で、腫れている歯茎は赤くなります)
・ブラッシング時に歯茎から出血があるかもチェックします。(歯ブラシが少しでも赤く染まっている場合は出血があり、炎症が生じていると言え、歯肉炎や歯周病が疑われます)

4、デンタルフロスの使用
・デンタルフロスや歯間ブラシを使用して歯間を掃除し、その後のフロスやブラシの臭いを嗅ぎます。

5、お口の乾燥状態を確認
・鏡を見ながら、口を開ける経過をご自身で確認してみましょう。口の中で数本糸を引くような状態であれば、口の中の唾液の量が少なくネバついている状態です。
・市販のデンタルミラーでも、お口の中の乾燥状態は確認できます。デンタルミラーの鏡の面を頬の裏側の粘膜にひっつけてから少しずつ離したときに、粘膜がペタ-とミラーにひっついてくるようであれば、口の中が乾燥していると言えます。

6、口臭チェッカーの利用
・市販されている口臭チェッカーを使って、自分の口臭レベルを数値で測定します。

以上のような方法を行うことで、

  • 自分の口臭の強さ
  • 舌苔の付着量
  • 歯茎の炎症状態
  • 口腔内の乾燥状態

を知ることができ、口臭の原因を見つけやすくなります。ただし、この方法は一つの目安として参考にしていただき、より確実に口臭原因を知りたいと思われる方は、歯科医院で相談してみましょう。デリケートな問題のため、相談されにくい方もいらっしゃるともいますが、歯科医院によっては口臭測定器という専門的な機械がある医院もあります。そのような医院であれば、口臭についても相談しやすいかと思います。

歯周病と口臭の改善方法

歯周病による口臭は適切なケアと治療により改善することが可能です。

1.自宅で始める歯周病と口臭のセルフケア

歯周病と口臭の改善には、日常のセルフケアが非常に重要です。

正しい歯磨き方法

○歯ブラシの選び方
特に歯茎の痛みが気にならない場合は、ブラシ部分が3~4列に並んでおり、ブラシの形はギザギザではなくフラットで平らなもの、硬さはふつうタイプのものがおすすめです。
歯磨き時に歯茎に痛みを感じるようであれば、システマ歯ブラシなど柔らかめの歯ブラシを選んでいただくと良いでしょう。

○磨き方
歯ブラシを歯に対して45度の角度で当て、細かく動かして磨くことを心がけます。歯ブラシを動かす幅は歯2本分を目安にします。ブラシを歯に押しつけすぎず、歯ブラシの毛が立つ程度で、シャカシャカ音が聞こえるくらいの力加減で磨きましょう。痛みがある場合は、軽く当てるだけも良いです。少しずつ痛みが落ち着いてきたら、それに合わせて力加減を変えてみましょう。

○磨く順序
磨き残しを防ぐため、一定の順序決めて磨きます。(たとえば、上の歯の外側から始めて内側、噛み合わせ面と続ける)

マウスウォッシュの正しい使い方

○使用量
製品に記載されている推奨量(多くはキャップ1杯分)を使用します。

○使用方法
歯磨きで歯垢を除去した後にマウスウォッシュを口に含み、約30秒間、口全体をすすぐと効果的です。

○注意点
使用後は少なくとも30分は水や食べ物を口にしないようにしましょう。有効成分がお口の中に留まりやすくなるため効果が高まりやすいです。

デンタルフロスや歯間ブラシの活用方法

○デンタルフロス
フロスを約45cm取り、中指に巻きつけます。(初心者の方は、ホルダー付きのフロスがおすすめです。)
フロスを歯と歯の間にゆっくりと挿入し、歯と歯茎の溝2mmほどまで入れます。そこから前後に動かして歯の側面をこすり、汚れを取ります。(歯と歯茎の溝に入れ込みすぎると歯茎が傷ついて、歯茎が下がってしまう原因になるので注意しましょう)

○歯間ブラシ
歯間のサイズに合ったブラシを選びます。
ブラシを歯間に優しく挿入し、前後に動かしてプラークを除去します。

これらのセルフケア方法を習慣にすることで、歯周病リスクを減らし、口臭を効果的に改善することができます。また、定期的に歯科医院でのクリーニングも受けることで、歯磨きでは難しい歯石の除去や歯周ポケット内部の洗浄もできるため、再発のリスクも減らすことができます。

2.歯科医院での専門的治療法

歯科医院での治療は、歯周病が進行した場合や、自宅でのケアだけでは改善が難しい口臭の原因を根本から解決するために重要になります。

歯石除去とルートプレーニング

○歯石除去(スケーリング)
歯石除去とは、歯や歯周ポケットに蓄積した歯石を専用の器具で除去する処置です。
歯石は、唾液などに含まれるカルシウム成分がプラークと混じり硬くなったものです。これを除去することで歯茎の炎症が抑えられ、口臭の原因となる細菌の数も減らすことができます。

○ルートプレーニング
ルートプレーニングは、スケーラーと呼ばれる器具を使用し、歯石が付着して表面が粗造になった歯根面を滑らかにすることで、さらなる細菌の付着を防ぎます。
この処置により、歯周ポケットの深さが改善しやすく、炎症が徐々に抑えられることで、結果として口臭も改善することができます。

重度の歯周病に対する外科治療

○フラップ手術
重度の歯周病の場合、フラップ手術が行われることがあります。この手術では、歯茎を一部切開して深い歯周ポケット内の歯石を目視できるようにし、スケーラーで歯石を除去します。それとともに、内部の洗浄を行います。。
洗浄後、歯茎を元の位置に戻し縫合します。これにより、歯周ポケットが改善しやすくなり、歯周病の進行を抑えることができます。

○骨再生手術
歯周病が進行すると、歯を支える骨(歯槽骨)が失われることがあります。骨再生手術では、歯茎を切開して、歯槽骨が失われた部分に、歯周組織を再生する働きのあるエムドゲインと呼ばれる材料を塗布し、失われた骨を再生させる効果が見込めます。
この治療により、歯の周りの歯周組織が強化され、歯周病の改善が見込めます。それによって、口臭が改善されやすくなります。

生活習慣を改善して歯周病と口臭を予防

最近では、糖尿病と歯周病の関係性が明らかになりつつあります。糖尿病になると、歯周病のリスクが高まりやすいという報告があります。そのため、糖尿病を予防するためには、食べ過ぎには注意し、バランスの良い食事と適度な運動が大切になります。

また、喫煙も歯周病に大きく関係します。喫煙者は非喫煙者と比べて、歯周病の発症や進行が早いという報告があります。これは、タバコに含まれるニコチンと呼ばれる成分には血管を収縮させる作用があるため、歯周病に感染していても、腫れや出血などの症状がでにくく発見が遅れることが原因の一つとして挙げられます。

したがって、生活習慣の改善は健康な体を維持することはもちろん、歯周病のリスクを下げることにもつながります。歯周病が予防できれば、口臭も予防できます。一度、ご自身の生活習慣を見直してみましょう。

口臭予防には定期検診が一番の近道

口臭予防の最も効果的な方法は、定期的な歯科検診と言えます。歯周病と口臭の大きな原因は、細菌が多く存在していることにあります。定期的にお口の状態をチェックしクリーニングを受けていただくことで、歯磨きでは難しい歯周ポケット内部の洗浄や歯石除去を行うことができます。お口の中の細かい部分まで洗浄できるため、細菌の数を激減させることができます。また、その状態を維持していただきやすいように、ご自宅でのケアについても、患者さんに合った方法をご提案させていただいております。

歯周病や口臭などお口のトラブルに悩まれている方は、ぜひ一度当院へご来院ください。

24時間ネット予約はこちら


エントリーリスト