column歯科コラム

  1. ひだまり歯科医院
  2. 歯科コラム
  3. 親知らずの抜歯費用はいくらくらい?保険適用&医療費控除の条件を詳説

親知らずの抜歯費用はいくらくらい?保険適用&医療費控除の条件を詳説

監修:歯科医師 高島 光洋


「医療費」と書いてあるメモ帳とボールペンと電卓

親知らずの抜歯は一般的によく行われる処置ですが、治療費用が気になる方もいらっしゃると思います。また、健康保険は適用されるのか、医療費控除はどのように利用するのかなどの疑問をお持ちの方も多いでしょう。今回は、抜歯の種類ごとの費用の違いから、保険の適用条件、さらには医療費控除について詳しく解説していきます。

抜歯の難易度で変わる費用

抜歯の費用は、生え方や歯の状態によって異なります。親知らずの場合は特にです。

親知らずは、「普通抜歯」「難抜歯」「骨性完全埋伏歯」「水平埋伏歯」といった、様々な生え方によって治療の難易度が変わります。真っ直ぐ生えている親知らずは稀で、歯茎や骨に一部が覆われていたり、完全に埋伏していたりします。その親知らずを削ったり、分割して抜歯する必要があるのですが、これらの処置は技術的に難しく時間も要するため、その分費用が高くなってしまうのです。

健康保険適用の場合

親知らずの抜歯をする際、健康保険の適用が可能です。以下は、抜歯を行う際にかかるおおよその処置費用(窓口負担金)です。

<普通抜歯>
費用:800円程度

<難抜歯>
費用:1,500円〜3,000円程度

<骨性完全埋伏歯・水平埋伏歯>
費用:3,500円〜10,000円程度

これに加え、初診料や再診料、レントゲン検査(約1,000円)、CT検査(約3,500円)などが必要となり、さらに痛み止めや抗菌薬などの薬代も発生します。

保険が適用できない場合

親知らずの抜歯には基本的に保険適用で処置を行うことができますが、以下の場合には保険を適用することができません。

  • 健康保険に加入していない
  • 審美が目的の処置である場合

このようなときは、健康保険での治療が適用されないため、全額ご負担いただくことになります。審美が目的の処置というのは例えば矯正治療のための抜歯などが該当します。
また、また親知らずを4本同時に抜歯する場合は、全身麻酔や入院が必要となる場合があり、別途費用が加算されます。

健康保険適用の条件

健康保険が適用となる条件は、簡単に説明すると「治療を目的としていること」であり、たとえば以下のような症状が該当します。

  • 痛みや炎症:親知らずが原因で、口内に痛みや炎症を引き起こしている場合
  • 歯並びへの悪影響:親知らずの生え方が他の歯に圧力をかけ、歯並びを乱している場合
  • 虫歯や歯周病のリスク:親知らずまっすぐ生えていなかったり、一部が歯茎の中に埋まっているために清掃が困難で虫歯や歯周病のリスクが高まる場合
  • 嚢胞の形成:親知らず周囲に嚢胞(のうほう)が形成され、他の歯や骨に損傷を及ぼす可能性がある場合

このような条件の場合は健康保険で必要な治療を行うことができます。

親知らずの抜歯は医療費控除の対象になる

親知らずの抜歯にかかった費用は医療費控除の対象となることがあります。この控除を利用することで、税金の控除を受けられるので、実質治療費の負担を軽減することができます。医療費の負担が大きくなったときは医療費控除を有効に活用すると良いでしょう。

医療費控除とは?

医療費控除とは、歯科治療に限らず、風邪や怪我なども含めて治療に要した費用に適用される制度です。この制度により、1年間に支払った医療費の総額が一定額を超えた場合、確定申告を通じて所得税の一部を還付してもらえます。

虫歯や歯周病の治療費も医療費控除の対象になります。親知らずの抜歯も同様に対象ですし、自由診療の治療も含めて支払った費用が高額になった場合は、医療費控除が適用できますので確定申告をして税金の控除を受けられるとよいでしょう。

医療費控除が適用される条件は?

医療費控除は、ご自身だけでなく家族なども含めて1年間に支払った医療費が10万円を超えた場合に適用されます。たとえば歯科で親知らずの抜歯をした場合、以下のものが対象となります。

  • 親知らずの抜歯費用
  • 通院にかかる交通費
  • 処方された薬代
  • 麻酔代
  • 必要に応じた入院費用

ほかの治療に要したものも同様に、通院にかかる交通費なども含めて対象となります。これらの費用が家族分も合計して年間10万円を超える場合、医療費控除を申請することができます。

国税庁(タックスアンサー)のホームページにも概要説明がございますのでご参照ください。

国税庁ホームページ

民間の保険会社の手術給付金は受けられる?

民間の保険会社の手術給付金は、原則として一般的な親知らずの抜歯には適用されません。
ただし、公的医療保険制度の「医科診療報酬点数表」または「歯科診療報酬点数表」において、「埋伏歯」の抜歯として算定される手術は一部の民間保険において手術給付金の支払い対象になることがあります。

また、この処置に伴い入院が必要となった場合、保険契約の内容によっては、入院費用に対しても給付されることがあります。

上記の条件を満たしているかは、ご自身が加入されている保険契約の内容を確認することが重要となるため、事前に保険証券を確認したり、保険会社に問い合わせをしておくことをお勧めします。

まとめ

親知らずの抜歯をする場合、原則として保険適用で行うことができます。
しかし、処置の内容によっては費用が高額になることもありますので、このような場合、医療費控除などの制度も利用できる可能性があります。

親知らずの治療は多くの方が経験する治療になりますので、ご自身やご家族に治療が必要になったときに備えて、正しい知識を身につけて、利用できる制度について事前に対象になるのかを確認しておくことで安心して治療を行うことができるのではないでしょうか。

歯科医院でも丁寧に説明を行いますので、気になることがあればお気軽にご相談ください。

24時間ネット予約はこちら


エントリーリスト