column歯科コラム

  1. ひだまり歯科医院
  2. 歯科コラム
  3. 詰め物が取れたら要注意!虫歯再発リスクと治療の流れを徹底ガイド

詰め物が取れたら要注意!虫歯再発リスクと治療の流れを徹底ガイド

監修:歯科医師 高島 光洋


左頬を押さえている女性の口元

あなたは、詰め物が取れたらどのように対処しますか?詰め物が取れたことがある方は多いのに、その原因や適切な対処法について正しく理解している人は意外と少ないのが現状です。しかし、詰め物や被せ物が外れたまま放置すると、虫歯の再発や進行につながるおそれがあります。今回は、詰め物が取れる原因と、取れた際にどのように対応すればよいかについてお伝えしていきます。

詰め物が取れる原因とは?虫歯の再発が関係する場合も

詰め物が取れる主な原因として、以下のようなことが挙げられます。

①硬いものや粘着性のある食べもの

キャラメルやガムなどの粘着性の強い食品、またナッツや氷のような硬い物を噛むことで、詰め物や被せ物の接着部分に強い力がかかり、取れてしまうことがあります。

②虫歯の再発

人工の詰め物や被せ物と歯との間に、隙間が生じることがあります。その隙間から細菌が侵入して内部で虫歯が進行することで、詰め物や被せ物が合わなくなり、取れてしまうことがあります。
このようなトラブルを防ぐためには、定期的な検診を受けることが大切です。詰め物や被せ物の段差や引っかかりがないかを確認し、もし合った場合は必要に応じた治療を行うようにしましょう。

③詰め物や接着剤の劣化

歯科治療で使用される詰め物や被せ物は、時間の経過とともに劣化します。そのため、長期間使用することで接着力が低下して、取れやすくなることがあります。特に、10年以上同じ詰め物を使用している場合はそのリスクが高くなるため、定期的な検診で状態を確認し、必要に応じて交換を行うことをおすすめします。

④噛み合わせの問題

噛み合わせの状態が詰め物や被せ物の耐久性に大きく影響をすることがあります。噛み合わせのバランスが悪くて詰め物に過度な力がかかることが、詰め物が取れる原因になるのです。
さらに、歯ぎしりや食いしばりの習慣があると、詰め物への負荷が一層強まり、取れるリスクが高まります。
こうした過剰な力を避けるためにも、噛み合わせに問題がある場合は歯科医師に相談して、調整やナイトガードの使用などで詰め物への負担を軽減することが重要です。

詰め物が取れたときの応急処置:虫歯の進行を防ぐために

詰め物が取れた際の応急処置と保管方法についてご紹介します。詰め物を清潔に保ち、虫歯の進行を防ぐためにも、適切な対応が大切です。

1. 取れた詰め物を保管

取れた詰め物は再利用できる可能性があるため、捨てずに保管しておきましょう。
軽く洗い流して汚れを落とし、その後、清潔な容器や密閉できるプラスチック袋などに入れて保管してください。歯科医院を受診する際に持参すれば、歯科医師がその詰め物を再使用できるかどうかを判断します。

2. 歯を清潔に保つ

詰め物が取れた部分の歯は、できるだけ清潔に保つことが大切です。ブラッシングの際は、毛先の柔らかい歯ブラシを使用し、軽い力で優しく磨くようにしましょう。
また、歯間ブラシやデンタルフロスを使う場合も、強く擦らず、詰め物のあった周囲を優しく清掃してください。これにより、詰め物が取れた部分のさらなる損傷を防ぐことができます。

3. 痛みやしみる症状への対処

詰め物が取れた歯は、刺激に敏感になることがあります。そのため、冷たいものや熱いもの、甘い飲食物は避けるようにしましょう。
痛みがある場合は、市販の鎮痛剤で一時的に症状を和らげることも可能ですが、これはあくまで応急的な対応であり、根本的な解決にはなりません。症状がある場合は、できるだけ早く歯科医院を受診してください。

4.早めに受診する

詰め物が取れた場合、早期に対応することで、虫歯の進行や歯のさらなる損傷を防ぐことができます。歯科を受診される際は、取れた詰め物を清潔な容器に入れて持参し、取れる前後の症状をできるだけ詳細に伝えてください。これにより、歯科医師は適切な診断と治療計画を立てることができます。速やかな対応が、口内健康を守るための鍵となります。

詰め物が取れたときの注意点

詰め物が取れた場合、適切な対処を行うことが重要です。
市販の接着剤で詰め物を付け直そうとする方も、中にはいらっしゃいます。しかし、これらの接着剤は歯科用ではなく、歯や歯肉を傷つける恐れがあるため絶対に行わないようにしてください。

また、詰め物が取れた歯は刺激に対して敏感になっており、噛んだ時に痛みを感じたり、欠けたりする可能性があります。そのため、食事の際は詰め物が取れた部分を避け反対側で噛むようにしましょう。
特にナッツやキャラメル、ガムのような硬いものや粘着性の高い食べ物は、詰め物が取れた歯にさらなる負担をかけるため、控えることが望ましいです。
詰め物が取れた歯は虫歯の進行やその他のトラブルを招きやすいため、長期間放置しないようにしてください。

詰め物が取れた後の虫歯リスク

詰め物が取れて露出した部分に食べかすや細菌が入り込みやすくなり、虫歯の再発や進行のリスクが高まります。歯の内部が酸や細菌の攻撃に直接晒されるため、虫歯が悪化しやすいのです。
さらに、露出した部分は薄く脆くなっているため、欠けたり割れたりしやすく、状況によっては根管治療や抜歯が必要になることもあります。
また、噛み合わせのバランスが崩れ、隣接する歯や噛み合う歯にも過度な負担がかかるリスクも生じます。

歯科医院で行われる治療内容と費用の目安

1. 再利用可能な場合:元の詰め物を再び付ける
取れてしまった詰め物に変形や損傷がなく、適合している場合は、再接着が可能です。この際には、歯の表面に残った古い接着剤や汚れを取り除き、新しく接着剤を用いて詰め物を再着します。
治療の費用は一般的に数千円程度で済むことが多いですが、使用する材料や処置の内容によって異なります。
治療時間は通常、30分から1時間程度です。

2. 虫歯が進行している場合など再利用不能な場合:新しい詰め物を作成
詰め物が再使用できない状態だったり虫歯が進行していたりする場合は、虫歯を削って新たに詰め物を製作する必要があります。費用は数千円〜1万円程度かかります。
治療時間は30分から1時間程度で、新しい詰め物が出来上がるまでに一週間ほどかかります。
なお、使用する材料によっては保険が適用されない場合もありますので、事前に歯科医師とよく相談することをお勧めします。

虫歯や詰め物のトラブルを防ぐための予防策

正しい歯磨きとフロスの活用は、毎日のブラッシングだけでは落としきれない歯間のプラークを除去し、虫歯や歯周病のリスクを下げることに効果的です。
また、年に1〜2回の定期検診では、歯科医師による虫歯のチェックや、歯科衛生士によるクリーニングを受けることができ、普段のケアでは取りきれない歯石やプラークを除去することができます。
さらに、歯ぎしりや食いしばりがある場合は、ナイトガードの使用によって詰め物やご自身の歯を守ることが可能です。詰め物や被せ物は永久に使えるものではないため、定期的に状態をチェックし、必要に応じて交換していくことをお勧めします。

詰め物がとれた場合のQ&A

Q1 詰め物がとれた場合に食事はできる?
食事をしていただくことは可能ですが、詰め物が取れた部分では硬い物を噛まないよう注意してください。歯に負担がかかり、痛みなどの症状が出たり欠けたりする原因になることがあります。

Q2 取れた詰め物を自分で戻してもいい?
自分で詰め物を戻すことは、絶対にしないでください。正しい位置に戻らず、詰め物が破損・変形するおそれがあります。自分の歯が欠けることもあるため、自分で処置を行うのは避け、早めに歯科医院を受診してください。

Q3 詰め物が取れたとき、市販の接着剤を使ってもいい?
市販の接着剤は口腔内での使用を想定しておらず、歯や歯茎にダメージを与えたり、健康への悪影響を及ぼすことがあります。絶対に使用せず、詰め物が外れた場合は速やかに歯科医院を受診しましょう。

Q4 詰め物が取れた部分は痛くないが、受診しなくてはならない?
痛みがない場合でも、詰め物が取れた原因が虫歯であることもあり、そのまま放置すると虫歯が進行し、最終的には抜歯が必要になることもあります。また、歯が弱くなっているため、力が加わると割れるリスクもあります。痛みがなくても、早めに歯科医院で診察を受けてください。

詰め物が取れたら早めの対応を!

詰め物が取れた場合は、取れた詰め物を清潔な容器に保管し、できるだけ早く歯科医院を受診することが重要です。放置すると虫歯の進行や他の歯への影響が懸念されます。
日常的な予防としては、正しいブラッシングとフロスの使用を習慣づけ、定期的に歯科検診を受けることが重要です。
また、食いしばりや歯ぎしりがある方はナイトガードの使用を検討することで、詰め物やご自身の歯を守ることができます。
もしも今、詰め物が取れたところを放置しているようなら、早めに歯科医院を受診するようにしてください。

24時間ネット予約はこちら


エントリーリスト