column歯科コラム

  1. ひだまり歯科医院
  2. 歯科コラム
  3. 過剰歯の治療に伴う手術の必要性や方法、時期などを専門家が解説

過剰歯の治療に伴う手術の必要性や方法、時期などを専門家が解説

監修:歯科医師 高島 光洋


男性患者に説明している男性医師

人によっては、歯科医院で「過剰歯がある」と言われることがあります。過剰歯の存在は永久歯の生え方に大きな影響を及ぼします。時には抜歯や手術が必要で、治療には状態に応じた専門的なアプローチが求められます。どのような影響があるのか、どのタイミングでどのような治療を進めるべきか、専門家が解説します。

過剰歯の治療に手術が必要な理由

通常、永久歯は28本です。それに親知らず1~4本を含めると、最大で32本の歯がお口の中に存在します。しかし、この本数よりも多く生えてくることがあり、予定外に生えた歯のことを「過剰歯」と言います。過剰歯への対応は、経過観察で済むこともあれば、抜歯をしなければならないこともあり、状態によって変わります。抜歯が必要なのは、永久歯が出てくることを阻害していたり、歯並びに永久歯に影響を及ぼしていたりする場合です。また、生えている状態によっては手術が必要になることもあります。

過剰歯の手術を行う適切なタイミングとは

過剰歯を取ることによって、他の永久歯の健康や歯並びへの影響が少なくなることが期待できますが、適切なタイミングで処置を行うことが大切です。過剰歯があると診断されても、年齢が小さいと治療が難しいこともあります。過剰歯を「抜歯する」という行為によって、その後の歯科治療に対する恐怖心が芽生えてしまうことが懸念されます。また、大人しく治療を受けられるかどうかも重要です。そのため、ある程度話が理解できるようになり、永久歯が生え始める6~7歳頃に治療を行うことが多いです。永久歯の生え変わりへの影響も最小限に抑えることができます。
過剰歯の正確な位置は歯科用のCTを用いて確認します。治療内容について事前にしっかりとご説明させていただきますので、ご安心ください。

過剰歯を放置した際のリスク

過剰歯を放置すると、以下のような悪影響が生じることがあります。

〇歯並びの問題
過剰歯の存在が永久歯の萌出を妨げ、噛み合わせや歯並びに影響が出ることがあります。

〇永久歯の根を溶かす
過剰歯が永久歯の根の近くに位置している場合、永久歯の根を溶かす恐れがあります。

〇嚢胞の形成
過剰歯の周りに膿瘍が形成され、その嚢胞が永久歯にも影響を及ぼすことがあります。

〇細菌感染
歯磨きがしにくいため、細菌感染を引き起こして虫歯になりやすくなります。埋まっている過剰歯も感染の原因となり、痛みや歯茎の腫れといった症状を引き起こすことがあります。

これらの悪影響を防ぐためには、適切な時期の診断と治療が必要です。

手術の際には、口腔外科との連携が必要なケースも

過剰歯の位置や状態によっては、一般の歯科医院での処置が難しい場合があります。特に過剰歯が複雑な位置にあったり特殊な状態だったりする場合は、処置を行う際の麻酔の方法も重要です。全身麻酔や局所麻酔など、専門的な判断、選定が必要になります。患者様の安全を考慮した上で治療を行なっていくためには、また、治療後の経過観察などにも、口腔外科との連携が不可欠です。

術後の注意事項

手術後に注意していただきたいことは、以下の通りです。

●血行が良くなることを避ける
手術後の腫れを最小限に抑えるため、熱い食べ物や飲み物、激しい運動は避けてください。

●うがいのしすぎに注意する
手術部位を刺激しないように、うがいは優しく行いましょう。

●歯磨き時の注意
手術部位周辺への歯ブラシの当て方に気をつけましょう。優しく、かつ丁寧に磨くことで、刺激を最小限に抑えつつ衛生を保つことができます。

●安静にする
手術後は身体を休めることが重要です。無理をせず、十分な休息を取ってください。

これらの注意事項は、通常の抜歯をした時と同様に大切です。傷口の縫合糸が気になるかもしれませんが、触ると細菌感染のリスクが高まるため触らないようにしましょう。縫合糸は、1週間から10日前後で取ることができます。

過剰歯を発見したら、歯科医師と相談して適切な処置を

過剰歯があるとわかったら、永久歯への影響を考慮した上で対処法を決定する必要があります。歯科医院でレントゲンや歯科用CTを撮影し、状態に合わせた治療内容、時期を歯科医師と相談して決定するようにしましょう。ご自身のお口の中に過剰歯があるかご心配な方は、歯科医院で検診を受けてみてはいかがですか?

24時間ネット予約はこちら


エントリーリスト