歯周炎ってどんな症状?早期発見、対処が歯周病予防の鍵になる
監修:歯科医師 高島 光洋
歯磨きの時に歯茎から血が出ることはありませんか?心当たりがある方は、初期段階の歯周炎になっているかもしれません。多くの場合、歯周炎は自覚症状がほとんどなく進行するため、気づかないうちに悪化してしまいます。今回は、歯周炎の早期発見と効果的な治療方法について詳しくお伝えします。
1.その症状、歯肉炎かも?簡単なセルフチェック
2.うして歯肉炎になるのか。歯周病との関係について
2-1歯肉炎を引き起こす主な原因
3.歯肉炎に気づいたら早めに対処を
3-1自宅でできるセルフケア
3-2歯科医院で行うプロフェッショナルケア
4.歯肉炎予防には、日頃の口腔ケアが大切
その症状、歯肉炎かも?簡単なセルフチェック
自宅で簡単にできるセルフチェックを紹介します。
- 朝起きた時に口の中がネバネバする
- 歯磨きをすると出血する
- 歯茎が腫れる
- 口臭が気になる
- 歯がグラグラする
- 歯茎が下がって歯が長く見える
- 歯と歯の間に隙間ができた
- あまり歯磨きをしない
これらの症状のいずれか一つでも当てはまる場合は、歯肉炎の可能性があります。
どうして歯肉炎になるのか。歯周病との関係について
歯周炎は歯周病の初期段階で、歯茎のみが炎症を起こしている状態です。この状態を放置すると、炎症が進行して歯周ポケットが形成され、やがて歯を支える歯槽骨が溶ける歯周病へと進行してしまいます。
歯肉炎を引き起こす主な原因
歯肉炎の一番の原因は「プラーク」という歯に付着する細菌の塊です。実は、私たちの口の中には常に1000億個以上の細菌が存在しています。歯磨きを怠ると細菌はどんどん増え、1兆個以上にも増殖してしまうのです。これらの細菌が出す毒素によって歯茎に炎症が起こり、歯肉炎が引き起こされます。
プラークは粘り気があるため、単に口をすすぐだけでは落とすことができません。効果的に除去するには、しっかりとブラシングすることが重要です。
歯肉炎に気づいたら早めに対処を
多くの方が、歯磨きの時に歯茎から出血することで歯肉炎を疑うようになります。少しの刺激で出血が見られる場合は特に注意が必要です。歯茎の炎症が強いおそれがあるため、早めに対処しないと歯周病が進行してしまうかもしれません。
自宅でできるセルフケア
歯肉炎への主な対処法はプラークの除去ですが、単に歯磨きをするだけでは不十分です。歯と歯の間や歯茎の境目に付着しているプラークを除去するには、当て方や動かし方が重要になります。歯間ブラシやデンタルフロスを使って、普通のブラシでは届きにくい狭い隙間や歯茎の近くのプラークをしっかりと取り除くようにしましょう。
歯科医院で行うプロフェッショナルケア
プラークは、時間が経つと唾液の成分と結合して歯石に変化します。一度歯石になると、どれだけ丁寧な歯磨きでも落とすことができません。歯石を落とすためには歯科医院でのプロフェッショナルケアが必要となります。
歯科衛生士によるプロフェッショナルクリーニングは、ご自身では届かない部分の汚れもしっかりと取り除くことができ、歯肉炎や歯周病の予防に効果的です。
歯肉炎予防には、日頃の口腔ケアが大切
歯肉炎は歯周病の初期段階です。炎症を防ぐためには、毎日の丁寧な歯磨きが非常に重要です。しかし、どんなに注意深く磨いても、磨き残しが発生することは避けられません。だからこそ、定期的な歯科医院での検診と、歯科衛生士によるプロフェッショナルなケアを受けることを強くお勧めします。
もし歯磨き時に出血が見られる場合は、ぜひ当医院で口内ケアを受けてみてください。