ホワイトニングの種類別の値段相場は?保険対応の有無についてもご紹介
監修:歯科医師 高島 光洋

ホワイトニングは歯を白くする効果的な方法として人気がありますが、詳しく知っている方は意外と少ないかもしれません。歯を美しく見せたいと考えてはいるものの、どのように進めれば良いのか迷っている方に、今回はホワイトニングの具体的な種類や費用について詳しくお伝えしていきます。
1.ホワイトニングの種類
2.ホワイトニングの値段相場
2-1ホワイトニング以外にかかる費用
2-2歯科医院での保険対応について
3.ホワイトニングの施術の流れ
4.ホワイトニングを長持ちさせる方法
5.ホワイトニングを選ぶポイント
6.ホワイトニング以外で歯を白くする方法
7.まとめ
ホワイトニングの種類
ホワイトニングには4つの種類があります。
〇ホームホワイトニング
“持続性の高いホワイトニング方法“
この方法は、歯科医院に通うことなく、ご自分の好きな時間に歯を白くすることが可能なホワイトニング方法です。
まず歯科医院でご自身の歯型のマウスピースを作成します。マウスピース完成後、このマウスピースに専用の薬剤を入れ、ご自宅で1日に30分から2時間装着します。2週間〜1ヶ月使用します。ご自宅で簡単に行うことができ、時間をかけて歯を徐々に白くするため、効果が長持ちし、色の戻りも少ないです。
〇オフィスホワイトニング
“即効性のあるホワイトニング方法“
オフィスホワイトニングは、歯科医院で歯科医師または歯科衛生士が行う、即効性の高いホワイトニング方法です。
オフィスホワイトニングでは、歯に専用の薬液を塗布し、特定の波長の光を当てることで歯を白くすることができる方法です。一回の施術だけで白さを実感できる方も多く、短期間で効果を得られることが特徴です。結婚式や特別なイベント前など、短期間で歯を白くしたい方にお勧めです。
〇デュアルホワイトニング
ホワイトニング効果が長持ちする“持続性のある“ホームホワイトニングと、速やかに歯を白くする“即効性のある“オフィスホワイトニングを併用する方法を“デュアルホワイトニング“といいます。オフィスホワイトニングで速やかに歯を白くし、その後、ホームホワイトニングで得られた白さを長期間保持します。この併用により、オフィスホワイトニングの“即効性“とホームホワイトニングの“持続性“の特徴を活かすことができ、効果的に歯の白さを維持することが可能です。
〇セルフホワイトニング
セルフホワイトニングとは、歯科医院ではなく、美容サロンや専門店にてご自身で行うホワイトニング方法のことです。この方法では、歯科医院で使用される薬剤とは異なり、歯の表面の着色を取り除き、“歯本来の白さ“を目指します。
手軽に歯を明るくしたいと考えていらっしゃる方は、セルフホワイトニングを試してみるのも良いかもしれません。
ホワイトニングの値段相場
ホワイトニングの料金は、選ぶ方法によって大きく異なりますが、気になる点の一つかもしれません。具体的な料金を見てみましょう。
- ホームホワイトニング:約2〜4万円
- オフィスホワイトニング:約2〜5万円
- デュアルホワイトニング:約5〜8万円
- セルフホワイトニング:1回あたり約2〜5千円
ホワイトニングは自由診療に分類されるため、治療費は歯科医院によって異なります。ご自身に合ったホワイトニング方法を選ぶためには、事前に歯科医院での相談が重要です。歯科医師のアドバイスを参考にしながら、最適な方法を見つけましょう。
ホワイトニング以外にかかる費用
ホワイトニングを始める前には、虫歯や歯周病などの治療、歯のクリーニング(歯石の除去や歯の表面の着色を除去すること)を行うことが重要です。(これらは保険適用の治療が可能)
ホワイトニング開始前に虫歯や歯周病の治療・歯のクリーニングすることで、ホワイトニングの薬剤の効果を最大限に引き出すことができます。
前処理を施すことでホワイトニングの効果は格段に向上します。
さらに、ホワイトニング薬剤は自然な歯(被せ物をしていない歯、詰め物をしていないご自身の歯の部分)にのみ反応します。詰め物や被せ物がある場合は、ホワイトニング後に他の歯との色差が生じることがあります。見た目を改善するために、再治療が必要になることがあります。
歯科医院での保険対応について
ホワイトニングは、虫歯や歯周病とは異なり、病気の治療ではなく美容目的のための処置です。そのため、保険適用外となり自由診療で行われます。料金は歯科医院ごとに異なるため、治療開始前にはその歯科医院でしっかりとカウンセリングを受け、納得の上で治療を進めることが大切です。
また、使用される機器や薬剤もクリニックによって異なるため、どのようなものが使用されるのかを事前に確認することが重要です。それぞれのホワイトニングオプション、メリットやリスクを理解し、ご自身に合った方法を選ぶようにしましょう。
ホワイトニングの施術の流れ
〇ホームホワイトニング
1、カウンセリング、事前確認
・ホワイトニングの効果
・治療の流れ
・費用
・現在のお口の中の状態の確認
※ホワイトニングができる状態かを歯科医師、歯科衛生士で確認する
2、マウスピース作成
3、歯のクリーニング
・歯の表面に付着しているプラークや歯石、着色を除去します
・術前の写真と色のチェック
4、マウスピース、ジェル使用方法
・マウスピースの取り扱い方法を説明
・着脱の仕方
・ジェルの分量の説明
5、確認
・術後の写真と色のチェック
※術前術後の色の比較をするため
〇オフィスホワイトニング
1、カウンセリング、事前確認
・ホワイトニングの効果
・治療の流れ
・費用
・現在のお口の中の状態の確認
※ホワイトニングができる状態かを歯科医師、歯科衛生士で確認する
2、歯のクリーニング
歯の表面に付着しているプラークや歯石、着色を除去します
3、ホワイトニング実施
・術前の写真と色のチェック
・歯茎に薬剤がつかないように保護剤を塗布
・歯の表面にホワイトニング剤を塗り、光を照射する
・照射後、表面の薬剤を除去
4、確認
・術後の写真と色のチェック
※術前術後の色の比較をするため
ホワイトニングを長持ちさせる方法
ホワイトニングの効果の持続期間は以下の通りです。
- ホームホワイトニング:約3〜6ヶ月
- オフィスホワイトニング:約6ヶ月〜1年
- デュアルホワイトニング:約1〜2年
しかし、個人の生活環境や食生活により、これらの期間中でも歯の色が戻ることがあります。色戻りを遅らせるためには、次の点に注意しましょう。
- 定期的に歯を磨くことで、着色の原因となる汚れを除去
- カレー、コーヒー、お茶、ワインなど着色しやすい飲食物の摂取を控える
- 喫煙は歯の黄ばみを促進するため、控える
- ホワイトニング効果をサポートする特殊な歯磨き粉を使用する
ホワイトニング中も、これらの習慣を意識することで、より長く白い歯を維持することができます。また、柑橘系の食べ物や炭酸飲料は酸性が強く、ホワイトニングの効果を弱める可能性があるため、摂取にも注意が必要です。
ホワイトニングを選ぶポイント
ホワイトニングの選択は、利用可能な時間、予算、そしてライフスタイルによって異なります。
1、時間で選ぶ
忙しい日々を送る方は、短時間で効果が得られるオフィスホワイトニングが適しているかもしれません。
2、費用で選ぶ
予算に限りがある場合、コストパフォーマンスの良いホームホワイトニングやセルフホワイトニングがおすすめです。
3、ライフスタイルで選ぶ
自宅で気軽に行いたい方はホームホワイトニングが、効果を重視する方はデュアルホワイトニングを選ぶと良いでしょう。
また、お口の健康状態によっては選択肢が限られることもあります。虫歯や歯周病がある場合は、先にこれらを治療する必要があります。自宅でできるホワイトニングと、歯科医院でしか行えないプロフェッショナルなホワイトニングがありますので、ご自身の状況に合わせた方法を選ぶことが大切です。
ホワイトニング以外で歯を白くする方法
ホワイトニングで歯が白くならないものがあります。
- テトラサイクリン(幼少期に抗生物質の影響で変色してしまった状態の歯)
- 虫歯など、何らかの原因で神経が死んでしまった歯
- 人工的な詰め物や被せ物をしている歯
上記のような場合はホワイトニング以外の方法で白くします。
〇ホワイトコート
歯の表面にコーティング剤を塗って白くします。1回で白くできるので、結婚式などのイベント時には効果的です。しかし、研磨剤入りの歯磨き粉などを使用すると剥がれてしまうことがあるので注意が必要です。
〇ラミネートベニア
歯の表面を削りセラミックを貼り付けるものです。付け爪のようなものです。
デメリットとして、健康な歯を削らなければいけないことやセラミックの材質を使用するため、1本10万円程度と高額になるということがあげられます。
〇セラミック治療
歯全体を削って形を整え、歯全体にセラミックを被せる方法です。白さを自由に調整することができます。ただし、ラミネートベニアよりも使用するセラミックの量が多いため、より費用が高額になること、ラミネートベニア同様、歯を削る必要があることがデメリットとしてあげられます。
まとめ
ホワイトニング治療は保険の適用外で行われる審美目的の処置であるため、費用は歯科医院によって異なります。歯科医院によって使用する材料や技術などが料金に影響を与えるため、治療の前に十分なカウンセリングを受け、納得した上で治療を受けられることをお勧めいたします。
ホワイトニングを考えている、どのホワイトニングがご自身に合っているのか悩まれている方はお気軽にご相談ください。