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金歯のメリットとデメリットを徹底解説!歯科医師も選ぶその理由とは

監修:歯科医師 高島 光洋


色々な種類の歯の被せ物のイラスト

歯の詰め物や被せ物の種類のひとつに、金を使用して作製する「金歯」があります。一般的には銀やセラミックなどの材質が選ばれることが多く、金はあまり主流ではありません。しかし、実は歯科医師自身が自らの治療で選ぶこともあるほど、金は非常に優れた素材なのです。
今回は、そんな金歯の知られざるメリットと、治療前に知っておきたいデメリットについてわかりやすく解説します。

金歯のメリットとは?

1. 圧倒的な耐久性と長寿命
金は柔軟性と強度を兼ね備えた金属です。咬む力が強い方でも割れにくく、摩耗もしにくいため、非常に長持ちします。
銀歯の平均寿命が5〜10年に対し、金歯は20〜30年、条件によっては40年以上も機能するケースがあります。

2. 歯との適合性が高く、虫歯の再発を防ぎやすい
金は加工精度が高いため、詰め物と歯との境目に隙間ができにくいです。また、金属表面が滑らかでプラークが付きにくいという特徴もあります。
詰め物等をした歯が再び虫歯になるのは、詰め物と歯の境目の僅かな段差にプラークが溜まり、そこから細菌感染するからです。歯との適合性が良く表面が滑らかだと、細菌感染のリスクを減らすことができるため、二次虫歯の予防に繋がります。

3. 噛み合わせに自然に馴染む
金は適度に柔軟な素材のため、装着後に周囲の歯や咬み合わせに自然にフィットします。
これにより、咬む力や圧力が分散され、対合歯(咬み合う歯)を傷つけにくいというメリットがあります。

4. 金属アレルギーのリスクが非常に低い
金は生体親和性が高く、金属アレルギーを引き起こす確率が非常に低い金属です。
特に、銀歯の材料に含まれるパラジウムやニッケルに反応する方にとっては、金は有力な選択肢と言えるでしょう。

5. 歯を削る量が少なくて済む
金は薄く加工しても十分な強度を得られるため、天然歯を削る量を最小限に抑えることができます。
歯は、一度削ると元には戻せません。ご自身の歯を少しでも多く残せることは、将来的な歯の健康を守る上で大きな利点です。

金歯のデメリットとは?

先述したとおり、金は高性能な素材ですが、すべての患者様にとって最適とは限りません。以下のようなデメリットもあり、事前に理解しておくことが必要です。

1. 見た目が目立つ
最大のデメリットは審美性です。
金属の黄色味が強いため、前歯や笑った時に見える場所に使用することに抵抗を感じる方が多いです。

2. 保険適用外で治療費が高額
金は保険適用外の材質のため自由診療となり、費用はすべて自己負担です。
その時々の相場に左右されることもあり、1本あたり約5万円〜15万円で、他の素材に比べてコストが高くなります。

3. 温度を感じやすい
金属は熱伝導性が高いため、熱いものや冷たいものを摂取した時に敏感に反応することがあります。
多くの場合、時間の経過とともに慣れてきますが、敏感な方は不快感が強い可能性があります。

4. 稀に金属アレルギーを引き起こすことも
金自体のアレルギー発症率は非常に低いものの、100%リスクがないわけではありません。
アレルギー体質の方は、事前に歯科医院で相談したり、パッチテストを受けたりしておくと安心です。

金歯を長持ちさせるためのポイント

高い耐久性を持つ金歯も、日々のケア次第で寿命が大きく左右されます。

〇丁寧なセルフケア
歯と歯茎の境目を意識したブラッシングや、補助ツール(フロスや歯間ブラシ)を活用し、周囲を清潔に保つことが大切です。

〇歯科医院での専門的なケア
日頃気を付けてセルフケアしていても、知らない間に歯石がついてしまったり、何らかの理由で咬み合わせが変わってきたりすることがあります。そのため、歯石除去や咬み合わせチェックなど、歯科医院でしかできない専門的なメンテナンスは不可欠です。

〇定期的な歯科検診
口の中のトラブルは、早期発見するほど簡単な治療で済むことが多いです。症状がないまま進行しているケースもあるため、少なくとも半年に1回は定期検診を受け、金歯や周囲の歯の健康状態を確認しましょう。

治療の前にしっかり検討を

金は、長寿命・高適合性・低アレルギー性など、多くのメリットを持つ優れた治療素材です。
一方で、見た目の問題や治療費の高さといったデメリットもあり、素材選びには慎重な判断が求められます。
当院では、金歯を含めた各種補綴材料の特徴や費用面を丁寧にご説明し、患者様一人ひとりに最適な治療プランをご提案しています。
「どの素材を選べばよいか迷っている」「金歯について詳しく知りたい」といったお悩みがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

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