歯が黄ばむ原因と対策。毎日の飲み物が引き起こす着色の仕組みと白い歯を守る方法
監修:歯科医師 高島 光洋
鏡を見て、「歯が前より黄色くなってる気がする」と感じたことはありませんか?
毎日しっかり磨いているのに歯が黄ばんでいっている場合、日常的に口にしている飲み物の色素などが原因で、歯の表面に着色(ステイン)が蓄積している可能性があります。
今回の記事では、歯が黄ばむメカニズムと着色しやすい飲み物、そして今日からできる効果的な予防策を歯科の視点から詳しく解説します。
1.歯が黄ばむ仕組みには外因性と内因性の2つがある
1-1 外因性の着色
1-2 内因性の変色
2.着色しやすい飲み物ランキング
2-1 1位:コーヒー
2-2 2位:紅茶・緑茶・ウーロン茶
2-3 3位:赤ワイン
2-4 4位:炭酸飲料(コーラなど)
2-5 5位:スポーツドリンク・エナジードリンク
3.歯の黄ばみを防ぐ5つの対策
3-1 1. 飲んだ後すぐに水でゆすぐ・水を飲む
3-2 2. ストローを使う
3-3 3. 酸性飲料のあとは30分以上待ってから歯磨き
3-4 4. 黄ばみにくい飲み物を選ぶ
3-5 5. 歯科医院での定期クリーニング(PMTC・エアフロー)
4.黄ばみの原因によって対策が異なる
5.日頃の習慣と原因に合わせたケアで白い歯を取り戻そう
歯が黄ばむ仕組みには外因性と内因性の2つがある
歯が黄ばんでしまう要因は大きく「外因性」と「内因性」に分かれます。
外因性の着色
歯の黄ばみは、毎日の食べ物や飲み物に含まれる色素(ポリフェノール・タンニン・アントシアニンなど)が、歯の表面にあるエナメル質の微細な凹凸に入り込んで沈着することで起こります。
また、酸性の飲食物はエナメル質を一時的に柔らかく(脱灰)し、その状態で色素が入り込むとさらに黄ばみが定着しやすくなります。
日常的に起こる歯の着色の大半は、この外因性によるものです。
内因性の変色
内因性の歯の変色は、歯や身体そのものの変化などによって起こります。主に以下のようなものがあげられます。
- 加齢による経年変化
- 虫歯・神経を抜いたことで起こる歯の変色
- 金属の被せ物や詰め物が劣化して溶出し、歯に染み込む(特に歯茎の境目が黒ずむことが多い)
- 歯の形成期に抗生物質(テトラサイクリン系)を服用したことによる変色
着色しやすい飲み物ランキング
歯を黄ばませる原因となる飲み物には共通点があります。
① 色が濃い
② 酸性が強い
この2つが重なるものほど、歯の黄ばみを強く引き起こします。
1位:コーヒー
- タンニン・ポリフェノールがステインを作りやすい
- 酸性のためエナメル質が軟化し、色素を取り込みやすい
- ホットは温度により浸透しやすくなる
コーヒーは歯の黄ばみを引き起こす代表格と言っても過言ではありません。毎日飲む習慣のある人は着色しやすいということを認識しておきましょう。
2位:紅茶・緑茶・ウーロン茶
- 紅茶:カテキン・タンニンが濃くステインが強い
- 緑茶:見た目以上に着色性が高い
- ウーロン茶:テアフラビンによる着色リスク
お茶は比較的健康に良さそうというイメージがあるかもしれませんが、実は黄ばみの原因となる飲み物です。濃く抽出するほど黄ばみやすくなるので要注意です。
3位:赤ワイン
- アントシアニン(紫系色素)が強く沈着する
- 酸性度も高く、色素が入り込みやすい
ワインはお酒の中では最も着色のリスクが高い飲み物です。ワインを飲んだ後、歯の縁だけが紫色になっていることをイメージしていただけるとわかりやすいでしょう。
4位:炭酸飲料(コーラなど)
- 酸性が強いと エナメル質が弱くなる
- カラメル色素が沈着しやすい
色が濃く、強い酸性の炭酸飲料は歯の黄ばみの大きな要因になります。
5位:スポーツドリンク・エナジードリンク
- 酸性度が非常に高い
- エナメル質が軟化
- 人工着色料も沈着の原因に
色が薄い飲み物でも安心ではありません。筋トレや運動後に習慣的に飲むことが多いスポーツドリンクなども着色の原因になり得ます。
歯の黄ばみを防ぐ5つの対策
着色しやすい飲み物は、多くの方が日常的に飲んでいるものばかりであることにお気づきでしょうか?
しかし、歯の黄ばみを防ぐために、着色しやすい飲み物を完全にやめないといけないのかというと、必ずしもそうではありません。
大切なのは 「飲み方」と、「飲んだ後どうするか」 です。
1. 飲んだ後すぐに水でゆすぐ・水を飲む
色素や酸が口の中に長期間留まらないようにすぐ流すことで、ステインの定着を防ぐことができます。
コーヒーを飲んだ後、 水を一口飲むだけでもリスクは大幅に減少します。
2. ストローを使う
歯面に触れる量が減ることで、前歯への着色を抑えられます。
アイスコーヒーやジュースを飲む場合は、ストローを利用することをお勧めします。
3. 酸性飲料のあとは30分以上待ってから歯磨き
飲食のあとにすぐに歯を磨く方もいらっしゃるでしょう。しかし、酸で軟化した状態のエナメル質をゴシゴシ磨くと傷がついたりすり減ったりしてしまい、かえって着色がしやすい状態になってしまいます。
酸性の強いものを飲食した後はまず水で軽くゆすぎ、30分後に優しく歯磨きをするようにしましょう。
4. 黄ばみにくい飲み物を選ぶ
- 水
- ほうじ茶
- ルイボスティー
などは着色のリスクが低い飲み物なので、習慣として取り入れると良いでしょう。
5. 歯科医院での定期クリーニング(PMTC・エアフロー)
こびりついてしまった着色は、自宅での歯磨きでは完全に落とすことはできません。
歯科医院にて、専用のクリーニングを行うことが必要です。
- 専用のペーストと機材を使った歯の表面の研磨
- 微粒子パウダー(エアフロー)を使った着色除去
このようなクリーニングを行うことによって、黄ばみの除去だけではなく、歯面をツルツルに整え色素の付きにくい状態にすることが可能になります。
黄ばみの原因によって対策が異なる
先述したとおり、歯の黄ばみの原因には外因性と内因性があります。
外因性による黄ばみは、歯科医院でのクリーニングなどで落とすことが可能です。しかし、内因性の「歯自体が変色してしまったもの」に関しては、クリーニングだけでは改善できないことが多く、別の対策が必要です。
- 歯自体の色を白くするホワイトニング
- 今付いている金属の被せ物や詰め物を、金属を使用しない被せ物、詰め物へ新しく作り替える
- 変色した歯を被せ物などで覆う
など、原因によって対策が異なります。
そのため、もし歯の黄ばみが気になったら、まずは原因の特定から始めることをお勧めいたします。
日頃の習慣と原因に合わせたケアで白い歯を取り戻そう
多くの人が日常的に飲んでいるコーヒーやお茶、炭酸飲料、エナジードリンクなどの飲み物は、強い着色力と酸性度で歯の黄ばみを進行させてしまいます。
しかし、直後に水を飲む、といった簡単な習慣だけでも黄ばみは十分予防することができるのです。
さらに、歯科医院で定期的なクリーニングを組み合わせることで、白く美しい歯を長く維持でき、日頃からのケアの積み重ねが鍵になります。
また、黄ばみの原因によってはクリーニングだけでは改善できないこともあるため、お口の中の状態を確認することも大切です。
当院では、歯科衛生士による専門的なクリーニング、エアフローを使った着色除去などを行っています。ホワイトニングや被せ物などのやり替えも、多くの方がご利用されています。歯の黄ばみが気になる方はお気軽にご相談ください。