ひどい虫歯で恥ずかしくて歯医者に行けないあなたへ。歯科医が伝えたい本音の話
監修:歯科医師 高島 光洋
「虫歯がひどくなりすぎて、もう歯医者に行けない」
「口の中を見せるのが恥ずかしい」
そんな気持ちを抱えていませんか?
でも、安心してください。その気持ちはあなただけではありません。虫歯を放置したことに罪悪感や恥ずかしさを感じて、なかなか受診できずに時間だけが過ぎてしまう、という患者さんは多くいらっしゃいます。
私たちのもとにも、長年歯医者に行けず悩んでいた方が多く来院されます。
今回は、そうした方に向けて、恥ずかしさを感じる理由や、歯医者が本音でどう思っているか、そして当院がどのように不安を解消しているかをお伝えします。
1.歯科受診を避けてしまう3つの主な理由
1-1 虫歯だらけの口を見られるのが恥ずかしい
1-2 「怒られるかも」と思ってしまう
1-3 治療が怖い
2.放置は危険!「ひどい虫歯」が招くリスク
3.歯科医の本音「来てくれて本当に良かった」
3-1 勇気を出して来てくれたことが嬉しい
3-2 私たちが考えているのは「どう治すか」
3-3 どんな症状でも驚かない
4.当院の取り組み:恥ずかしさ・不安を和らげる3つの工夫
4-1 まずは「相談」だけでもOK
4-2 プライバシーを守る対応
4-3 痛みを最小限に抑えた治療
5.恥ずかしさの先にある明るい未来へ
歯科受診を避けてしまう3つの主な理由
虫歯だらけの口を見られるのが恥ずかしい
虫歯が進行すると、黒ずむ・欠ける・穴が開くなど、見た目が変わります。「こんな口を見せるなんて…」と感じてしまうのは自然なことです。
しかし、歯医者にとってそれは『よくある症例の一つ』であり、驚いたり軽蔑したりすることは決してありません。
「怒られるかも」と思ってしまう
過去に「もっと早く来ていれば」と注意された経験があると、「また怒られるのでは」と不安になる方もいらっしゃるでしょう。
ですが、現代の歯科医療は『責める医療』ではなく、『支える医療』です。私たちは「来てくれて良かった」と感じるだけで、責める気持ちは一切ありません。
治療が怖い
「痛みが怖い」「治療音が苦手」などに恐怖心を感じられる方もいらっしゃいます。
しかし、歯医者はそうした気持ちに寄り添いサポートする専門家です。何が怖いのかを伝えていただいた方が、治療の際に対応しやすくなります。
放置は危険!「ひどい虫歯」が招くリスク
虫歯は自然に治ることはありません。歯科の受診を先延ばしにすればするほど、確実に進行していきます。
●神経まで達して激痛を伴う
放置することによって神経まで虫歯菌が達し、ズキズキするような激しい痛みが生じます。やがて神経が壊死してしまうと、痛みを感じなくなります。しかし、痛みが消えても治ったわけではありません。
●抜歯になる可能性が高まる
歯がボロボロになり、最終的に抜かざるを得ない場合があります。
●治療費・期間が増える
根管治療や被せ物、インプラントなどが必要になると、治療期間や費用がかさみます。
●全身の健康にも悪影響を及ぼす
虫歯菌が血流に乗ると、心臓や脳の疾患を引き起こすリスクがあります。
「恥ずかしいから行かない」という選択が大きな後悔に繋がってしまうかもしれません。早めに歯科医院を受診することで避けられるデメリットがあります。
歯科医の本音「来てくれて本当に良かった」
ここで、歯医者としての『本音』をお伝えします。
勇気を出して来てくれたことが嬉しい
「ひどい虫歯が恥ずかしい」と感じながらも、来院していただけたこと。
私たちはその勇気ある一歩を本当にうれしく思います。
「もっと早く来ていれば」ではなく、「来てくれて本当に良かった」というのが歯科医の本音です。
私たちが考えているのは「どう治すか」
患者さんの口を見て、私たちは『診断』を行います。
「どんな治療がベストか」「できるだけ痛くなく、早く治すにはどうするか」考えているのはそれだけです。そこまでの経緯を指摘したり怒ったりすることはありません。
どんな症状でも驚かない
毎日、何十人もの患者さんを診ています。歯がボロボロの方、長年放置した方も珍しくありません。どんな状態でも「治療のスタートラインに立てた」ことに着目し、ポジティブに捉えています。
当院の取り組み:恥ずかしさ・不安を和らげる3つの工夫
まずは「相談」だけでもOK
緊急性のあるケース以外では、いきなり治療を始める必要はありません。「とりあえず相談だけ」「状態を見てほしいだけ」でも大丈夫です。
カウンセリングの段階で、治療内容や費用感を丁寧にご説明します。
プライバシーを守る対応
「他の人に見られるのが恥ずかしい」という方のために、カウンセリングルームや診療室で人目を気にせずに相談していただけるようにしています。
痛みを最小限に抑えた治療
痛みが怖い方のために、表面麻酔・細い針・電動注射器などを使用し、「できるだけ痛みの少ない治療」を徹底しています。不安や恐怖を感じたまま治療を始めることはありません。
恥ずかしさの先にある明るい未来へ
「ひどい虫歯を見せるのが恥ずかしい」という気持ちは、誰にでもあります。
でも、その気持ちを乗り越えた先には、「もう痛くない」 「堂々と笑える」という未来が待っています。
〇虫歯は放置しても治らない
〇早めに治療するほど、負担も費用も少ない
〇歯医者はあなたを責めない。むしろ「来てくれて良かった」と思っている
まずは、相談から始めてみませんか?
虫歯に対して恥ずかしさを感じる必要はありません。私たち歯科医は、あなたの『勇気ある一歩』を心から応援しています。どうか安心して当院にご相談ください。