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フッ素塗布は何歳からいつまで?年齢別のおすすめ活用ガイド

監修:歯科医師 高島 光洋


歯磨きをする父と息子

「フッ素塗布は何歳から始めるのが良いの?」「いつまで続ければ安心なの?」――多くの保護者が抱くこの疑問。フッ素が虫歯予防に効果的なことは知っていても、具体的な効果やケアへの取り入れ方はわからない、なんて方も少なくありません。
フッ素は、開始時期などポイントを押さえることでより高い効果が期待できます。
本記事では、年齢ごとの最適なフッ素塗布のタイミングと活用法を詳しく解説します。

フッ素の基礎知識

フッ素は自然界に存在する元素で、海水や魚、お茶など、身近な食品にも含まれています。国際的にも虫歯予防効果が認められていて、WHOや厚生労働省も使用を推奨しています。

フッ化物洗口の推進に関する基本的な考え方

フッ素塗布によって得られる主な効果は次の3つです。

  1. 歯の再石灰化を促進:酸で溶け出した歯の成分を修復する働きをサポートする。
  2. 歯質を強化:エナメル質を強くし、酸に溶けにくい歯に育てる。
  3. 虫歯菌の活動を抑制:むし歯の原因菌や酸の産生を抑える。

フッ素が歯の表面のエナメル質に取り込まれることで、酸に対する抵抗力が高まります。歯をコーティングするような役割をイメージしていただくとわかりやすいでしょう。
特に歯科医院で行われるフッ素塗布は、市販の歯磨き粉などに含まれるものより高濃度なフッ素を使用するため、むし歯予防効果が高くなります。

年齢別の最適なフッ素塗布

フッ素は、虫歯予防に効果的ですが、正しく使用しないと期待する効果が得られなかったり、過剰摂取によって中毒症状が起きたりする危険もあります。
フッ素の濃度や取り入れ方を、年齢別にご紹介します。

乳歯萌出期(0〜2歳)

歯が生え始める生後6か月頃からフッ素塗布は開始可能です。生えたばかりの乳歯は未熟なため、早期に予防を始めることをお勧めいたします。1歳半前後になると、離乳食が完了して虫歯リスクが更に高まる時期に入るため、その頃には歯科医院でのフッ素塗布も始めるようにしましょう。

<フッ素の濃度・適量>
自宅で行うケアでは、フッ素濃度900~1,000ppm程度の歯磨き粉を使用しましょう。量の目安は米粒大(1~2mm)です。うがいがまだできないため、飲み込んでも問題のないジェルタイプを使用し、塗布後にはガーゼでふき取りましょう。

乳歯期(3〜5歳)

奥歯が生え揃い、食生活も多様になる時期であるため、虫歯のリスクが増加してきます。歯科医院で3か月ごとの定期的なフッ素塗布がおすすめです。

<フッ素の濃度・適量>
自宅では、900~1,000ppm程度のフッ素入り歯磨き粉をグリーンピース大(5mm程度)の量で使用しましょう。ブクブクうがいができる年齢になったら、フッ化物洗口も取り入れると効果的です。

混合歯列期(6〜14歳)

乳歯と、新しく生えてきた永久歯の両方が混在していて、歯磨きが難しく虫歯ができやすい年齢です。生えたばかりの永久歯はまだ柔らかく、虫歯になるリスクが高い一方で、フッ素を取り込みやすいという利点もあります。そのため、14〜15歳頃まで定期的なフッ素塗布を継続するのが理想的です。

<フッ素の濃度・適量>
1,000〜1,500ppmの歯磨き粉を、1cm程度の量を目安に使用しましょう。

フッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法について

大人にもフッ素は効果的

「フッ素塗布は子どもだけのもの」と思われがちですが、成人以降も有効です。

思春期は生活習慣の乱れやホルモンの影響で虫歯や歯肉炎のリスクが増加します。そして、加齢によって歯ぐきが下がると、歯根が露出してむし歯や歯周病のリスクが更に高まったり、知覚過敏などの症状が出たりすることがあります。

フッ素にはこの露出した根面を保護する効果もあるため、大人になっても定期的に歯科医院でフッ素塗布を受けることが推奨されます。

併せて、自宅でも1,500ppm前後の高濃度フッ素入り歯磨き粉を毎日使えば、更に虫歯予防に効果的です。

フッ素塗布は子どもから大人まで継続することがおすすめ

フッ素塗布は、歯が生え始めたらスタートし、大人になっても続けるのが理想的です。フッ素を活用した虫歯予防は「継続」することでより効果を発揮します。歯の成長段階や、生活環境、年齢によって虫歯のリスクは常に変化するため、その都度適切な方法を選ぶことが重要です。

  • 0歳から可能(生後半年〜)
  • 乳歯が生え揃う1歳半〜2歳が特に推奨時期
  • 永久歯が完成する14〜15歳まで継続が望ましい
  • 成人以降も定期的に塗布することで効果が持続

歯科医院での高濃度フッ素塗布と、自宅でのフッ素入り歯磨き粉・洗口液を組み合わせることで、むし歯予防効果を最大限に発揮できます。
お子様から大人まで、生涯にわたってお口の健康を守るために、ぜひ歯科医院での定期的なフッ素塗布とホームケアを継続しましょう。
もしフッ素塗布について疑問やご相談がありましたら、遠慮なく当院にご連絡ください。

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