電動歯ブラシの効果と手磨きとの違いを徹底解説!効果的なオーラルケアで健康な歯を
監修:歯科医師 高島 光洋
近年、テレビCMや家電量販店でも数多くの電動歯ブラシがが紹介されていて、使い始める人が増えています。一方で、「電動歯ブラシって、本当に効果はあるの?」と疑問を持つ方も少なくありません。
電動歯ブラシは、高速振動や回転運動によって短時間で効率的に歯垢(プラーク)を除去できる、優れたオーラルケアツールです。しかし、正しい使い方を知らないまま使うと、期待したほどの効果が出なかったり、逆に歯や歯茎を傷つけてしまうこともあります。
この記事では、電動歯ブラシの効果や手磨きとの違い、それぞれのメリット・デメリットをわかりやすく解説します。あなたにとって最適な歯ブラシ選びのヒントとなれば幸いです。
1.電動歯ブラシと普通の歯ブラシの違い
1-1 電動歯ブラシのメリットとデメリット
1-2 普通の歯ブラシ(手磨き)のメリット・デメリット
1-3 電動歯ブラシはこんな人におすすめ
2.電動歯ブラシの効果を最大限にする使い方は?
2-1 音波式と回転式、どちらを選ぶべき?
3.電動歯ブラシの効果は使い方次第!まずは当院へご相談ください
電動歯ブラシと普通の歯ブラシの違い
電動歯ブラシと手磨き用の歯ブラシには、それぞれ異なる特徴があります。どちらが優れているというよりも、生活習慣や歯並び、磨き方の癖などによって最適な選択が変わります。
電動歯ブラシのメリットとデメリット
メリット
1.効率よくプラークを除去できる
手磨きでは再現することができない細かい振動によって、短時間で多くの汚れを落とすことができます。奥歯や歯の裏側など磨きにくい場所も効率よくケアすることができます。
2.誰でも高い清掃効果を実現できる
ブラシが自動で回転や振動をするので、使用者は歯に軽く当ててゆっくり移動させるだけでOKです。力加減やブラッシングの向きなど技術的な難しさをカバーしてくれます。
3.歯や歯茎への負担を軽減できる
手磨きではつい力が入ってしまうという人でも、電動歯ブラシを使えばブラシを必要以上に押し付けることが減り、歯や歯茎に優しい磨き方が自然にできるようになります。歯茎下がりや知覚過敏の予防に繋がります。
4.短時間でしっかり磨ける
多くの機種は2〜3分で磨き終えるよう設計されており、音で経過時間を知らせてくれたり、自動で電源がOFFになったりするモデルもあります。短い時間で集中して効果的なケアができるので、忙しい人にもおすすめです。
デメリット
1.初期費用が高い。ランニングコストがかかる
電動歯ブラシは本体が数千円〜数万円するため、普通の歯ブラシよりも総費用が高くなります。また定期的にブラシ交換が必要になることも考慮する必要があります。
2.誤った使い方で歯や歯茎を傷つける可能性がある
電動歯ブラシをゴシゴシ動かしたり、強く押し付けたりすると、歯茎が下がったり知覚過敏を引き起こしたりすることがあります。
3.磨けた気になりやすい
電動の回転や振動で歯の表面がすぐツルツルになるため、磨けた気になりやすく、歯間の汚れが残っていても気づきにくいケースがあります。
4.メンテナンスが必要
継続的に使用する機械なので、洗浄・乾燥などのメインテナンスが必要です。また、充電も必須なので、充電器も併せて持ち運ぶことを考えると、旅行などには不向きなところはデメリットと言えるでしょう。
普通の歯ブラシ(手磨き)のメリット・デメリット
メリット
1.安価でコストを抑えられる
数百円で購入でき、経済的に続けやすいのが大きな魅力です。
2.携帯性が高くどこでも使える
電池や充電が不要のため持ち運びがしやすく、外出先や旅行中も気軽に使えます。
3.自分の口に合わせて細かく選べる
ヘッドの大きさ・毛の硬さなど豊富なバリエーションの中から選べます。
デメリット
1.清掃の効果が技術や知識に左右される
ブラッシングの適切な角度や力加減、磨く順番などを守らないと、十分な清掃効果が得られません。そのため、歯科医院での歯磨き指導などで正しい技術と知識を知っておく必要があります。
2.力を入れ過ぎると歯茎を傷つけてしまう
知らず知らずのうちに強い力でゴシゴシと磨いてしまい、、歯や歯茎にダメージを与えてしまうことがあります。
電動歯ブラシはこんな人におすすめ
上記のメリットデメリットを踏まえると、電動歯ブラシは以下のような方に向いていると言えます。
- 忙しくて歯磨きに時間をかけられない人
- 矯正治療中で装置を使用している人
- 歯磨きの力が強くなりがちな人
- 細かい手の動きに不安がある人や高齢者
- 歯並びが複雑で、磨き残しを指摘されやすい人
電動歯ブラシの効果を最大限にする使い方は?
電動歯ブラシは、以下のポイントを押さえて使用することで高い洗浄効果が発揮されます。
1.力を入れすぎず、ゴシゴシ動かさない
軽く歯に当てるだけで十分です。強く押し付けると歯茎を傷つける原因になります。
2.1回につき2〜3分を目安に磨く
磨きすぎも歯の摩耗につながるため、適度な時間を守りましょう
3.研磨剤の少ない歯磨き粉を使用する
研磨剤が多く含まれている歯磨き粉だと、歯の表面を傷つけることがあります。ジェルタイプがおすすめです。
また、歯磨き粉は電動ブラシの強い振動で泡立ちやすいため、歯磨きがまだ不十分でも磨けたと錯覚しやすいです。付けすぎないようにしましょう。
4.フロスや歯間ブラシを併用する
電動ブラシでも歯間を磨くことはできません。そのため、磨き残さないよう、手磨き時と同様に、フロスや歯間ブラシを併用しましょう。
音波式と回転式、どちらを選ぶべき?
電動歯ブラシには音波式と回転式のものがあります。
〇音波式:優しい使い心地で、初めての人にも使いやすい
〇回転式:歯垢除去力が高い。歯周病の改善に良い
どちらも正しく使えば十分な効果が得られます。ご自身にどちらのタイプが合っているのか迷った場合は、かかりつけの歯科医院で相談してみるとよいでしょう。
電動歯ブラシの効果は使い方次第!まずは当院へご相談ください
電動歯ブラシは、正しく使えばお口の健康を守る強い味方 になります。
例えるなら、電動歯ブラシは高性能なロボット掃除機のようなものです。広い範囲を自動で効率よくキレイにしてくれますが、細かい仕上げには人の手が欠かせません。
短時間で効率よく磨ける一方、力の入れすぎや間違った使い方には注意が必要なため、しっかりとポイントを押さえて使用するようにしましょう。
当院では、歯磨き指導はもちろん、あなたに合う歯ブラシのご相談・処方を行っています。いつでもお気軽にご相談ください。