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差し歯が痛いのはどうして?治療後の痛みの原因と対処法

監修:歯科医師 高島光洋


差し歯には寿命がある?


被せ物をした歯は、治療してから数年が経過した後に痛むことがあります。

「治療したのにどうして痛むの?」と不安を抱かれる方もいらっしゃるでしょう。この痛みの原因は様々で、なるべく早く特定して適切な処置をしないと、さらに深刻な問題に発展してしまうかもしれません。

今回は、歯の被せ物で起こりうるトラブルとその原因についてお話ししていきます。

治療したはずの歯が痛み出す理由

差し歯とは、虫歯などで失った歯冠部分を修復するため人工の被せ物を装着する治療方法です。ご自身の歯の根っこ(歯根)に歯冠となる被せ物をつけます。

インプラントと混同されがちですが、インプラントは歯根がなくなってしまった場合に行う治療です。ご自身の歯根が残っているかによって治療方法が変わります。

被せ物をした歯に痛みが起こる原因は様々ですが、残っている歯根部分やその周辺の歯茎などになんらかのトラブルが起きていることがほとんどです。よくあるケースをご紹介します。

被せ物の歯が痛みだす4つの原因

被せ物があっていない

お口の中は非常に繊細なので、治療をしたばかりの箇所に痛みや違和感があることは珍しくありません。

特に被せ物を装着した直後は、温度に敏感になったり圧迫感を覚えたりすることがあります。これは、被せ物が周囲の歯や歯茎に馴染むまでに一定の時間が必要だからです。多くの場合、このような症状は一時的なもので、時間が経過するにつれて自然と落ち着いてきます。少しの間様子を見るようにしましょう。ただし、痛みや違和感が長引いたり悪化したりする場合は、早めに歯科医師に相談してください。

虫歯が進行している

被せ物をした歯がしばらく時間が経ってから痛んできた場合、被せ物の下で虫歯が進行しているかもしれません。被せ物の歯の治療をしてとしても、根っこの部分にご自身の歯が残っている以上は虫歯になることがあります。

その主な原因は、被せ物を固定するために使用されるセメントの劣化です。このセメントが経年劣化すると微小な隙間が生じ、そこから細菌が侵入して被せ物の内部で虫歯になってしまうことがあるのです。

被せ物の内側にできてしまった虫歯は外見からはわかりにくいので、自覚症状が現れて初めて気づくことも珍しくはありません。なるべく早く虫歯やその予兆を発見するには、定期的に歯科医院でレントゲン撮影をしてチェックをすることが非常に重要です。

歯根が破折している

普段は痛みを感じないものの、物を噛んだり、歯を噛みしめたりした時に痛みがある場合は歯根が折れている恐れがあります。

歯根が折れる原因としては、外部からの衝撃や歯根自体の耐久性の低下が挙げられます。被せ物をする時は歯を大きく削るため、歯根内にある神経をとらなければいけないケースがほとんどです。神経がなくなると歯に血液や酸素が供給されなくなるため、歯は以前よりも脆くなり柔軟性を失います。その結果、外部からの力が適切に分散されなくなるため、噛む力なども歯根に強く伝わって割れてしまうことがあるのです。

細菌が悪さをしている

神経を取った歯は、神経が入っていた管に充填材を詰めています。その充填材が原因で細菌感染することがあります。

充填材が管の先までしっかり詰まっていないと管の中が密封されていない状況になります。密閉されていない状態になると充填材が劣化してしまい、生じた隙間に細菌が侵入して、痛みや腫れなどの症状を引き起こすことがあるのです。

すぐにできる応急的な対処法

痛み止めを飲む

痛みを感じた際には、まず痛み止めを服用しましょう。痛み止めは、歯科医師から処方されたものでも市販薬でもどちらでも構いません。

しかし、痛み止めを服用しても症状が落ち着かない場合は、なるべく早く歯科医院を受診してください。そして再発を防止するためにも、原因を特定してすぐに治療を進めていきましょう。

冷やす方法

痛みに対する対処法として、「患部を冷やす」ことも効果的です。氷を口に含んで直接的に冷やす方法が一般的です。

しかし、痛みの原因が虫歯の場合は、この方法によって症状を悪化させてしまう可能性があります。そのため、直接患部に冷たいものを当てるのではなく外側から冷やす方法をお試しください。例えば、冷えピタや冷水で冷やしたタオルを頬の外側に当てるといった方法が効果的です。

このような冷却法はあくまで一時的に痛みを和らげるものです。緊急時に活用し、可能な限り速やかに歯科医院を受診することが得策でしょう。

歯を磨く

歯と歯茎の間にできた隙間に食べかすが挟まって圧迫感や痛みが生じることがあります。このような症状を和らげるためには、適切な歯磨きを行うことが必要です。

毎日の歯ブラシにくわえ、糸ようじ、デンタルフロスなどを使用して慎重に食べかすを取り除きましょう。

ただし、歯茎が炎症を起こしている場合はこれらのオーラルケア製品の使用によって歯茎から出血を伴うことがあります。このような場合は歯磨きの際には優しく磨くことを心がけてください。特に出血している部分や歯の隙間の入りにくい場所等は無理に磨かないようにしましょう。

差し歯の寿命を延ばすようお手入れを心がけましょう

差し歯・被せ物の治療を受けた歯であっても、後に痛みが発生することがあります。

原因によっては再治療が必要になります。そのため、症状が出た場合は早めに歯科医院を受診するようにしてください。自己判断で間違った対処をしてしまうと状況を悪化させる恐れがあります。

また、差し歯・被せ物は再治療のリスクがある治療です。適切なお手入れと定期的な歯科検診によって、その再治療のリスクを軽減し、歯の寿命を延ばすことが重要になります。

もし、差し歯・被せ物の治療をずっと以前におこなっているのであれば、一度歯科医院でチェックをしてみることをおすすめします。今は症状がなくても異変がはじまっているかもしれません。もし気になることがあればお気軽にひだまり歯科医院でご相談ください。

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