column歯科コラム

  1. ひだまり歯科医院
  2. 歯科コラム
  3. 歯が欠けた・折れた場合の安全な応急処置と治療方法について

歯が欠けた・折れた場合の安全な応急処置と治療方法について

監修:歯科医師 高島光洋


応急処置に使用する道具

歯は、強い衝撃や虫歯、歯ぎしりなどが原因で歯にダメージを受けて、欠けたり折れたりすることがあります。そして、トラブルの直後の応急処置次第で、その後の経過が変わるといっても過言ではありません。しかし、残念ながら正しい対処法をご存知の方はそれほど多くないのが現状です。今回は、歯のトラブルの原因とその対処法についてお伝えしていきます。

歯が欠けてしまう4つの原因

健康な歯が欠けることは珍しく、もし歯が欠けた場合は何らかの原因が隠れていることが多いです。

虫歯

虫歯になっている歯は、健康な歯に比べると脆くなり欠けやすいです。虫歯は歯の表面を覆っている硬いエナメル質よりも、内側の柔らかい象牙質から進行する傾向があります。そのため、見た目ではわからず、何気なくものを噛んだら歯が割れて、そうして初めて虫側で虫歯になっていることに気付く、なんてこともあるのです。

歯軋り、食いしばり

歯ぎしりや食いしばりの際には、歯に体重の2〜3倍もの力がかかると言われています。このような過剰な力が継続的に加わると、歯には大きな負担がかかり、目に見えないヒビが入ることがあります。その結果、些細な刺激でも欠けやすくなってしまうのです。

酸蝕歯

炭酸飲料の過剰摂取や胃液の逆流が原因で、強い酸に歯が晒されると、歯の表面を覆うエナメル質が溶けてしまいます。この状態の歯もことを酸蝕歯といいます。酸蝕歯は健子那覇に比べると弱く損傷しやすいです。

外傷

交通事故や転倒、スポーツによる衝撃も、歯が欠ける原因になることがあります。このような外傷は、歯に加わる力が非常に強いため、歯の頭部(歯冠)だけでなく、歯の根部(歯根)まで損傷してしまうかもしれません。激しいスポーツをする方は、スポーツ用のマウスピースを使用して歯を保護することをお勧めします。

歯が欠けた場合の応急処置について

歯が欠けてしまった場合、以下のことに注意して早急に対応してください。

欠けた・折れた歯の破片は「乾燥させない」

欠けたり折れたりした歯の破片は、乾燥から守ることが重要です。もし歯が欠けてしまった場合は、生理食塩水や牛乳に浸して歯科医院に持参してください。しかし、手元に何もないときは、口の中に欠けた歯を含むことも一つの方法です。このように乾燥を防ぐことで、歯を元の状態に戻せる可能性が高まります。

歯が歯根から抜けてしまった場合

歯が歯根から完全に抜け落ちてしまった場合、まずは水道水で汚れを軽く洗い流してください。ただし、この際には歯根部分を傷つけないように注意が必要です。洗浄後、歯を生理食塩水や牛乳に浸して、できるだけ早く歯科医院に持参してください。

歯が欠けた場合の治療方法について

小さな欠け・隙間の治療法

欠けた範囲が小さい、または隙間がある場合、欠けた部分を少し削って新鮮な面を作り出し、その後レジンを用いて詰め物や修復を行います。この方法のメリットは、大きく削らずに修復が可能であることです。また、欠けた歯の破片がある場合には、専用の接着剤でつけて元の状態に戻す方法もあります。この処置を行う際は、歯を乾燥から守ることが非常に重要です。また、自宅にある接着剤を使用して欠けた歯を修復しようとしないでください。

大きく欠けた歯の治療法

歯が大きく欠けた場合、詰め物や被せ物を用いて歯を元の状態に戻します。欠けた破片を歯科用の接着剤で戻す方法もありますが、欠けた範囲が広い、または力が頻繁に加わる部位である場合は、修復した部分が取れやす痛めこの方法は推奨できません。さらに、歯根まで深く割れてしまった場合は、歯を残せないことが多いです。抜歯をして、入れ歯やインプラント、ブリッジなどの治療を行う必要があります。治療方法や使用する材質には多様な選択肢があるため、最適な治療法については歯科医師との相談が重要です。

神経が露出している場合の治療法

神経が露出してしまった場合、根管治療(神経を取る治療)が必要になります。この治療では、まず神経の管を清掃して、細菌の侵入を防ぐために空洞部分を密閉する薬剤を充填します。その後、歯を補強するための土台を作り、被せ物をして歯を元の状態に戻します。この治療で使用される材質にはさまざまな種類がありますので、最適な選択については歯科医師に相談してください。

外傷による脱臼の場合

抜け落ちた歯は、まず水道水で軽く汚れを洗い流した後、生理食塩水や牛乳に浸し、できるだけ速やかに歯科医院を受診してください。抜けた歯をそのまま元の位置に戻し、その後、歯が顎の骨に再び固定されるまでの約3〜4週間、ワイヤーや接着剤で一時的に固定する必要があります。固定期間中は、歯に過度の力が加わらないよう注意し、細菌感染を防ぐために口内を清潔に保つことが大切です。
ぶつけたり抜け落ちたりしたことで神経に強いダメージを与えてしまっていて時間の経過と共に歯が変色するかもしれません。変色が見られる場合は、歯の神経が損傷し腐敗している恐れがあるため、根管治療によって神経を取り除き、その後、土台と被せ物で歯を修復します。

歯の欠け・破折は速やかに歯科医院へ

歯が欠けたり破折したりする原因は多岐にわたります。元の状態に戻せるかどうかは、歯の保管状態に大きく依存します。そのため、歯が欠けたり抜け落ちたりした場合適切な応急処置ができるかどうかが重要です。また、歯をそのまま放置すると、後々、歯への負担が増大し、問題が深刻化する恐れがあるため、速やかに歯科医院を受診するようにしましょう。スポーツをする際などには、歯を保護するためのマウスピースの使用を検討するなど、自身の歯を守るための予防策も存在します。歯の健康に関して気になられていることがあればお気軽にご相談ください。

24時間ネット予約はこちら