column歯科コラム

  1. ひだまり歯科医院
  2. 歯科コラム
  3. ホワイトニング前に必見!ホワイトニング種類別の効果や持続期間

ホワイトニング前に必見!ホワイトニング種類別の効果や持続期間

監修:歯科医師 高島光洋


口元を指さしている白いティシャツの男性

誰もが憧れる白い歯。白い歯が見える美しい笑顔は、印象を一新するくらいの力を持っています。最近では、年齢や性別に関わらず、ホワイトニングを希望される方が増えています。
もし、ホワイトニングをお考えであれば、その効果や持続性について事前に知っておきたい方もいらっしゃるのではないでしょうか?。
今回は、ホワイトニングを始める前に知っておくべきことを分かりやすくお伝えします。

ホワイトニングは種類ごとで効果が違う?

ホワイトニングには、「オフィスホワイトニング」「ホームホワイトニング」「ディアルホワイトニング」の3種類があります。

<ホームホワイトニング>
この方法は、初めに歯科医院でご自身の歯型からマウスピースを作成します。そのマウスピースに専用のホワイトニング剤を入れ、1日30分~2時間、期間としては約2週間毎日ご自宅でホワイトニングを行います。マウスピースの作成は歯科医院で行いますが、その後のホワイトニングはご自宅で手軽に行うことができるのが特徴です。ホームホワイトニングは、時間をかけて徐々に歯を白くすることができるので、効果が持続しやすく、色戻りもしにくいです。

<オフィスホワイトニング >
オフィスホワイトニングは歯科医院で行う、即効性のあるホワイトニングです。この方法では、歯に特別な薬剤を塗り、光を当てて白さを引き出します。多くの場合、一度の施術で白さが実感でき、短期間での効果が期待できます。特に、結婚式や重要なイベントの前に、できるだけ時間をかけずに歯を白くしたい方におすすめです。しかし、ホームホワイトニングと比較して色戻りが早いことがあります。

<デュアルホワイトニング >
デュアルホワイトニングは、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを組み合わせた方法です。まずオフィスホワイトニングにより短期間で歯を白くし、その後ホームホワイトニングを用いて効果を長期間持続させます。この方法は、オフィスホワイトニングの速効性とホームホワイトニングの持続性を兼ね備え、効果的に白い歯を長く維持することができます。

上記の方法でのホワイトニングは、個人差があります。使用する薬剤によっては知覚過敏の症状が現れることがあります。もし症状を感じた場合は、無理をせずにすぐに歯科医院で相談しましょう。使用する薬剤の濃度を調整することで改善する場合もあります。

白くなりにくい歯の特徴

歯の状態によっては、ホワイトニングの効果が見込めないこともあります。

・フッ素コーティングされている
フッ素を使用していることで、ホワイトニングの薬液が浸透しにくくなってしまうことがあります。それは、歯の成分であるカルシウムとフッ素が結びつき、歯の表面でフルオロアパタイトを形成することで、ホワイトニング剤の浸透を防いでしまいやすくなります。特に、酸性のフッ素ではホワイトニング効果が低くなるため、ホワイトニング中は中性のフッ素成分であるフッ化ナトリウムが含まれている歯磨き粉を使用するのがおすすめです。

・神経がない歯
虫歯などが原因で歯の神経が失活している歯に対してはホワイトニングで白くすることはできません。

・テトラサイクリン
幼少期にテトラサイクリン系の抗生物質を服用したことによって変色した歯は、歯の内部にまでホワイトニングの液が浸透しないため、白くすることができません。

・ホワイトスポット
歯の表面に白い斑点ができている状態です。この状態でホワイトニングをすると、この白い斑点がより目立ってしまうことがあるためお勧めできません。

・加齢による黄ばみ
加齢により黄ばんだ歯は、ホワイトニングを行っても白くなりにくい傾向があります。黄ばみの原因として、年齢を重ねる毎に伴う歯に対する刺激で、エナメル質が薄くなり、下層にある象牙質が透けて見えることがあります。ホワイトニングを行う事で、さらに黄色味の強い象牙質が透けてしまうことで効果が出にくくなることがあります。

ホワイトニングができない人もいる

ホワイトニングは、誰もが施術を受けられるわけではありません。以下の条件や状況を知った上で、ご自身がホワイトニングを受けられるかを事前に確認してみましょう。

1、年齢制限
ホワイトニングは18歳以上の方が対象です。

2、健康状態

  • 虫歯がある方
  • 歯周病が進行している方
  • 知覚過敏が強い方
  • 呼吸器に疾患がある方
  • 無カタラーゼ症の方 ※ホワイトニングに使用される薬剤、特に過酸化水素は体内で分解されにくいため、口内の粘膜が刺激されることがあります。これにより、粘膜の荒れや非常に稀ですが組織の壊死を引き起こすリスクがあります。
  • エナメル質や象牙質の形成不全がある方
  • 人工歯をお持ちの方(人工歯はホワイトニングで白くすることができません。しかし、ホワイトニング後に他の歯の白さに合わせて人工歯を作り換えることはできます。)

3、その他の注意点
妊娠中や授乳中の方にはお勧めできません。ホワイトニング薬剤が胎児や乳幼児に影響を及ぼす可能性があります。

このようなリスクを考慮し、自身の健康状態や条件に適しているかを歯科医師と相談してからホワイトニングを行うことをお勧めします。

ホワイトニングで使用する薬剤の特徴

ホワイトニングに使用される薬剤は、主に歯を漂白するタイプと汚れを落とすタイプの2種類に分けられます。これらの薬剤は専門家の指示に従って使用する必要があります。

歯を漂白する薬剤

1、過酸化水素
オフィスホワイトニングで用いられる主な薬剤で、エナメル質や象牙質に浸透することで歯を白くします。この薬剤は薬事法により歯科医師と歯科衛生士のみの取り扱いが許可されています。

2、過酸化尿素
ホームホワイトニングで用いられる主な薬剤です。過酸化水素と同様に歯を白くする効果がありますが、より低刺激であることが特徴です。この薬剤も歯科医院でのみ取り扱いが認められており、一般の店舗での販売はありません。

3、酸化チタン
オフィスホワイトニングで使用されます。、過酸化水素と組み合わせて、専用のライトを当てることで反応速度を高め、効果的に歯の漂白を促進します。

歯の汚れを落とす薬剤

●ポリリン酸、メタリン酸
歯の表面に付着した汚れを分解するために使用されます。歯の内部に浸透することはなく、直接的に歯を白くするわけではありませんが、歯表面の清潔を保ち、漂白効果を向上させる補助的な役割を担っています。
ホワイトニング薬剤の選択と使用には、専門的な知識と技術が必要です。興味がある方は、安全で効果的な結果に結びつけるために、まずは、歯科医院で相談してみましょう。

種類別のホワイトニングの持続時間

基本的なホワイトニング効果が維持できる期間は、方法の違いによっても異なりますが、生活習慣にも左右されます。

基本的なホワイトニング効果の持続期間

  • ホームホワイトニング:約3〜6ヶ月
  • オフィスホワイトニング:約6ヶ月〜1年
  • デュアルホワイトニング:約1〜2年

効果を長持ちさせるためには、日常の習慣が重要です。以下のポイントに注意して、美しい白さを保ちましょう。

  1. 歯を定期的に磨いて、着色の原因となる汚れを除去する。
  2. 着色しやすい飲食物(カレー、コーヒー、お茶、ワインなど)を控える。
  3. 喫煙は歯の黄ばみを促進するため、できるだけ控える。
  4. 着色を付きにくくする効果がある歯磨き粉を使用するのもおすすめです。(ポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウムは着色をおとしやすくする成分のため、これらの成分が含有されている歯磨き粉がおすすめです。)

さらに、柑橘系の食品や炭酸飲料のように酸性が強いものは、ホワイトニング効果に悪影響を及ぼす可能性があります。これらの摂取も注意して、美しい白い歯を長く維持するための工夫をしましょう。
日々の小さな積み重ねが、ホワイトニングの効果を長く持続できる鍵となります。

ホワイトニング前にしておきたいこと

<虫歯・歯周病>
ホワイトニングでは、薬液を使用して歯を白くしていきますが、この薬液は人によっては知覚過敏を引き起こす可能性があります。特に、虫歯や歯周病がある状態でホワイトニングを行うと、薬液が患部に浸透し、痛みを感じやすくなることがあります。そのため、ホワイトニングを始める前には、治療が必要な場合は治療を終わらせて口内環境を整えておくことが重要です。

<歯石・着色除去>
ホワイトニングを効果的に行うためには、歯の表面の汚れを除去することが不可欠です。プラークや歯石、そして着色が歯に付着していると、ホワイトニングの薬液がうまく浸透せず、期待される効果を得ることが難しくなります。そのため、ホワイトニングを始める前には、これらの汚れをしっかりと除去してください。
専門的なクリーニングを受けることで、プラークや歯石の除去はもちろん、歯の表面の着色もきれいに落とすことができます。歯の表面をきれいな状態にしてからホワイトニングを行うことで、よりホワイトニング効果が高まりやすくなります。

まとめ

ホワイトニングをより効果的に行うためには、まずお口の環境を整えておくことが大切になります。必要な場合は、あらかじめ虫歯や歯周病の治療を計画的に行っておくこと、また、歯石除去や着色除去をしっかり行っておくことで、薬液がしっかり浸透しやすい状態になります。
緊急性のない虫歯治療であれば、先にホワイトニングを行った後、虫歯治療を行い、詰め物の色をホワイトニング後の歯の色と合わせる場合もあります。そのような場合は、歯科医師と相談して治療計画を立てます。

ホワイトニングは誰でも適しているわけではありません。ご自身の歯がホワイトニングに適しているか、またどの方法が合っているのかを診てもらうためにも、カウンセリングを受けていただくことが大切です。納得のいくホワイトニング方法を歯科医師や歯科衛生士と相談しながら決めていただくとよいでしょう。

24時間ネット予約はこちら