歯周病には歯磨きが効果的!正しい歯ブラシの使い方
今や成人の8割が歯周病患者もしくは予備軍といわれているほど、歯周病は「国民病」です。初期の状態では、ほとんど気づかず知らないうちに進行し、お口の中だけではなく、全身の健康にも影響を及ぼしてしまう恐ろしい病気です。
そんな歯周病には歯磨きが効果的ということを知っていますか?今回は、正しく歯ブラシを使うことによって歯周病を予防・改善するコツをお話ししていきます。
【目次】
1.歯周病には毎日の歯磨きがカギ!
2.その歯磨き間違っていませんか?
2-1.力まかせにゴシゴシ磨いている
2-2.硬い毛先の歯ブラシを使っている
2-3.何ヶ月も同じ歯ブラシを使っている
2-4.歯磨き粉の量が多い
3.正しい歯磨きのコツとは?
3-1.1日に何回歯磨きをするのがいいの?
3-2.毛先の当て方
3-3.磨き残しが多いところは?
4.まとめ
歯周病には毎日の歯磨きがカギ!
歯周病は歯磨きがうまくできておらず、お口の中に長期間プラーク(磨き残し)・歯垢があることが原因とされています。プラークが残ったままになっていると、プラークの中の細菌が出す毒素によって歯茎が炎症を起こし歯周病が進行してしまうのです。
炎症が広がらないようにするためには、このプラークをしっかり取り除かなければいけません。そのために必要なのが毎日の歯磨きです。
テレビのCMなどで「うがいをするだけで汚れが除去できる」という話を耳にしたことはありませんか?確かにうがいは「大きな汚れを洗い流す」という点においては効果があると言えるでしょう。とくに、食事後すぐに歯磨きができない場合は、口をすすぐことは一定の効果があります。
しかし、それでプラークが取りきれるわけではありません。プラークは粘着性が高いため、歯ブラシを用いないと除去することができないのです。とはいえ、ただ歯ブラシで磨けばいいのではなく「正しく磨けているか」が非常に重要です。
その歯磨き間違っていませんか?
せっかく毎日、時間をかけても、磨き方が間違っていてしっかり磨けていなければ意味がありません。あなたは、どのように歯磨きをしていますか?
- 力まかせにゴシゴシ磨いている
- 硬い毛先の歯ブラシを使っている
- 何ヶ月も同じ歯ブラシを使っている
- 歯磨き粉の量が多い
ご自身の歯磨きで当てはまっている項目はありましたか?
実はこれらは間違った歯の磨き方なのです。
なぜ、このような歯磨きの仕方が間違っているのか、また、このまま続けて行くとどのようなことが起こるのでしょうか。
<力まかせにゴシゴシ磨いている>
ゴシゴシと力を入れて磨いていると、歯が削れて知覚過敏の症状が出てしまったり、表面に傷ができることで着色したりする原因になります。
歯磨きで歯が削れるなんて……と思われるかもしれませんが、1日に何回も力強く歯磨きをしていると歯は少しずつ削れてしまうのです。
<硬い毛先の歯ブラシを使っている>
歯ブラシの毛先の硬さは「硬い」「普通」「柔らかい」と種類があります。
硬い歯ブラシで、なおかつ力任せに磨くことによって歯茎にもダメージを与えてしまいます。
歯茎を傷つけと、歯茎が下がって歯が長く見えるようになったり、歯の根っこの部分が露出することで知覚過敏を引き起こしたりすることがあります。
<何ヶ月も同じ歯ブラシ>
今使っている歯ブラシを裏側から見て、毛が外側にはみ出していませんか?もしこの状態の歯ブラシを使われているようならすぐに交換しましょう。歯ブラシの交換は1ヶ月ごとに行っていただくことをおすすめします。
1ヶ月だと早いと感じる方もいらっしゃるでしょう。しかし、実は歯ブラシで一番洗浄効果が高いのが毛先です。毛先が寝てしまって、毛先が開いてしまった歯ブラシやコシがなくなってしまった歯ブラシではしっかり汚れを落とすことができません。
また、お口の中にはたくさんの菌が潜んでいます。歯磨きをしてその菌を除去すると、除去した菌は歯ブラシに付着します。歯ブラシをどれだけしっかり洗っても目に見えない菌が繁殖し、それを再びお口の中に入れることになるのです。常に高い洗浄効果が得られるように、また、清潔な状態を保つようにするために定期的な交換が必要です。
<歯磨き粉の量が多い>
歯磨きの際に使う歯磨き粉の量を気にされたことはありますか?
市販の歯磨き粉には発泡剤が入っていて、歯磨き粉をたくさんつけて磨くと発泡剤の作用でお口の中が泡だらけになります。その効果で「磨けた!」という気持ちになってしまい、実はしっかり磨けていないのに終わってしまう方が非常に多いです。
適量は1〜2㎝程度です。歯磨き粉の量に気をつけて磨くようにしましょう。
正しい歯磨きのコツとは?
毎日行う歯磨き、少しでも正しく効率よく磨きたいですよね。どのように磨けばより効果的なのかをご紹介いたします。
1日に何回歯磨きをするのがいいの?
あなたは歯磨きは1日に何回していますか?
人によって回数はバラバラでしょう。中には「数日おき」なんて人もいるかもしれません。食事をすることで、お口の中の細菌は活発に動きはじめます。そのため、理想を言えば、間食も含め毎食後に必ず歯磨きをすることがベストです。しかし、現実的にはなかなか難しいため少なくとも1日2回「起床後」と「就寝前」に行っていただくことをおすすめします。
なぜ、このタイミングかというと、就寝前にしっかり歯磨きをすることで、虫歯菌や歯周病菌の活動を抑制させることができるからです。
起床時にお口の中がネバネバしたり口臭が気になったりするのは、唾液の分泌が低下することが原因です。それによって細菌が繁殖するので、起床時に歯磨きをすることは虫歯や歯周病の予防に効果があると言われています。
毛先の当て方
単純に歯に歯ブラシを当てればいいという訳ではありません。当て方や力加減が重要なポイントです。
歯磨きをするときにかける力は150g程度と言われていますが、力を意識をすることはなかなかできないですよね。
特に歯ブラシを握り締めるように持つと無意識に力が入ってしまいます。そこで、持ち方を変えてみましょう!ペンを持つようにしてみてください。そうすることによって力の入れ過ぎを防ぐことができます。
そして、歯ブラシを当てる際には、毛先を歯の表面に対して90度になるようしてください。歯の根元へは45度で当てるようにしましょう。歯と歯茎の境目は毛先を少し入れ込むようにすることで、歯周ポケット内の汚れを落とすことができます。
大きく動かすのではなく、小刻みに動かして1本ずつ磨くようにしてみましょう。
磨き残しが多いところは?
皆さんは、ご自身の歯磨きで磨けていないところを把握していますか?
- 下の前歯の裏側
- 歯と歯茎の境目
- 歯と歯の間
- 奥歯の噛み合わせの溝
一般的にはこのようなところに磨き残しが多いと言われています。
歯ブラシが奥まで届いていなかったり、毛先が隙間に届いていなかったりすることが原因です。奥歯が磨けていないことが多い方は、ヘッドが小さい歯ブラシを使用することをおすすめします。もし、ご自身の傾向がわからない場合は、一度歯科医院でチェックしてもらうようにしましょう。
デンタルフロスは使ったほうがいい?
歯ブラシだけでは60%しか汚れを落とすことができないと言われています。
補助道具として、歯間ブラシやデンタルフロスを併用をすることで、80%まで汚れを落とすことができます。歯ブラシで大きな汚れを落とし、歯と歯の間の汚れは歯間ブラシやデンタルフロスを使ってきれいにしていきましょう。
歯間ブラシやデンタルフロスは間違った使い方をすると、歯茎を傷つけてしまう恐れがあるので使用の際は十分に注意してください。
まとめ
歯周病は歯を失う原因1位になる程の恐ろしい病気です。そんな歯周病を毎日行う歯磨きで予防できるなら歯磨きも頑張れますよね。
ご自宅での歯磨きと併せて定期的に歯科医院で専門的なクリーニングや歯ブラシ指導を受けられるとより効果的です。
どのような歯ブラシが自分に合っているのか、使い方など少しでも悩まれているようでしたらお気軽にご相談くだい。