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親知らずを放置していませんか?

親知らずは放置すると様々なトラブルの原因になることがあります。


時々、奥歯が痛くなる……ということはありませんか?

その痛みはもしかしたら親知らずが原因かもしれません。中には、親知らずだと気付いていても「歯科医院へ行けば抜くことになる」と思って放置してしまっている方もいらっしゃるでしょう。

しかし、親知らずは放置しておくとその周りの歯にまでも悪影響を及ぼす可能性があります。今回は、親知らずを放置するリスクをお伝えしていきます。

【目次】

1.親知らずにはどんなタイプがあるの?
2.抜いた方が良いのはこんな親知らず
 2-1.抜かなくても良い場合
 2-2.抜いた方が良い場合
3.親知らずを放置するリスク
4.安全に親知らずを抜歯するために
 4-1.上の親知らずの注意点
 4-2.下の親知らずの注意点
 4-3.親知らずを抜歯した後の注意事項
5.親知らずが気になったらまずは歯科医院へご相談を

親知らずにはどんなタイプがあるの?

親知らずは、お口の中の一番奥に生えてくる歯で、正式名称は「第三大臼歯」または「智歯」といいます。

全ての人のお口の中に存在しているわけではありません。親知らずがあるかは人によって異なり、親知らずがある場合でも生え方や時期、本数には個人差があります。

一般的に親知らずは10代後半から20代前半の時期に生えてきます。上下左右に1本ずつ生えるので合計4本です。そして生え方には

  • 正常に生えている
  • 一部だけ顔を出している
  • 完全に埋まっている

というように、いくつかのパターンがあります。

あなたは、ご自分のお口の中に親知らずがどのように生えているか、確認したことがあるでしょうか?

「親知らずは抜かないといけないから、状態を知るのが怖くて」というお声を耳にすることがありますが、親知らずは必ずしも抜かないといけないわけではありません。適切に対応するためにも、まずは親知らずがどのような状態なのかを知ることが大切なのです。

抜いた方が良いのはこんな親知らず

では、親知らずは、どのような状態だと抜く必要があるのでしょうか。

抜かなくても良い場合

  • まっすぐ生えている
  • しっかり噛めている
  • 他の歯の支えになっている
  • 歯磨きで管理できる

親知らずはまっすぐ生えていて、上の歯としっかり噛めていれば「物を噛む」という歯としての役割を果たすことができます。そのため抜く必要はありません。

親知らずが、ブリッジや入れ歯などの支えになっている場合も同様です。

しかし、虫歯や歯周病にならないように管理をしていく必要があります。お口の一番奥は歯ブラシが届きにくいため、歯磨きの際には特に気をつけて磨き、歯科医院での定期的にチェックをするのが理想的です。

抜いた方が良い場合

  • 斜めに生えている
  • 部分的に歯茎に埋まっている
  • 歯茎の腫れを繰り返している
  • 虫歯になっている

親知らずは斜めに生えていたり、部分的に生えていたりすることがよくあります。こうなると、ただでさえ一番奥にあって歯磨きが難しいのに尚更しっかり磨くことができません。そのために歯磨きが不十分になり、歯茎の腫れを引き起こしたり、虫歯や歯周病になりやすくなってしまいます。

また親知らずがまっすぐに生えないために、手前の歯を磨く邪魔になることで虫歯を引き起こす原因になったり、歯並びが変わってしまったりすることもあります。

このような場合には他の歯を守るためにも、早めに抜歯をすることが有効になります。

安全に親知らずを抜歯するために

安全に親知らずを抜歯するためには、その親知らずの位置や深さをしっかり確認する必要があります。

上の親知らずの注意点

親知らずの生えている上顎には、上顎洞(じょうがくどう)という鼻につながる空洞があります。

親知らずの位置によっては抜歯をしてできた穴と、その空洞がつながってしまうことがあります。時間の経過とともに骨がふさがっていきますが、感染症を引き起こす可能性もあります。

下の親知らずの注意点

下の親知らずの根っこの近くには下歯槽神経(かしそうしんけい)という太い神経ががあります。
抜歯の際に、この神経を傷つけてしまうとしびれなどの知覚異常を引き起こす恐れがあります。

このように、親知らずが生えている位置や深さによって注意しなければいけないポイントが異なるため抜歯を行う前にはレントゲン撮影が必須です。

歯科医院では的確な診断を行うために、3次元データで骨の状態を精密に診断ができる歯科用CTを活用することが多くなっています。

親知らずを抜歯した後の注意事項

親知らずを抜歯したら

  • 激しい運動
  • 長風呂
  • 飲酒
  • 頻繁なうがい

などをしないようにしてください。

親知らずを抜いた直後は、30分ほど傷口をガーゼで押さえて圧迫止血を行います。しかし、血行がよくなると再出血してしまうことがあるため注意が必要です。

また、歯を抜いた穴に血が溜まり血餅(けっぺい、かさぶたのようなもの)ができることによって傷口が塞がっていきます。うがいをし過ぎるとこの血餅が洗い流されてしまい、傷の治りが遅くなります。また傷口が露出するので再出血や痛みが出る恐れもあります。

個人差はありますが、抜歯後2〜3日は痛みを伴うことがあります。痛みがある場合は我慢せず痛み止めを飲むようにしましょう。もし、症状が落ち着かない場合は歯科医院を受診することをおすすめします。

親知らずが気になったらまずは歯科医院へご相談を

お口の中は見えにくいため、親知らずがどのような状態で生えているかをご自身で判断するのは危険です。

「今は症状がない」
「痛みがあっても薬でなんとかなる」
と放置していませんか?

症状が出てから受診しても、炎症が強いとすぐに抜歯をすることができず治療が長引いてしまう恐れもあります。ですので、症状の出ていないうちに受診して早めに診断していくことをおすすめします。

もし親知らずが少しでも気になるようでしたらお気軽にご相談ください。